セール:第69回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
日 時: 2025年1月25日(土)・26日(日)両日12:00~
会 場: ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
落札総額:608,321,250円(落札手数料含む)
落札率: 93.9%
作品数: 407点(落札382点、不落札25点)
2025年1月25日(土)・26日(日)の2日間、代官山のヒルサイドフォーラムでSBIアートオークションの2025年最初のセールとなる「Modern and Contemporary Art」が開催された。
国内外で活躍する作家の優れた作品が407点出品され、そのうち382点が落札された。両日の落札総額は、6億832万1250円(落札手数料含む・以下同)、落札率は93.9%を記録。新年の幕開けにふさわしい好結果を残した。
1日目には高額な作品を多く含む201点の作品が出品され、単日の落札総額は5億1848万9000円、落札率は93.5%に達した。一方、2日目には価格帯がやや抑えられたものの、多様な作品が206点出品され、単日の落札総額は8983万2250円、落札率は94.2%に上った。
2日間のセールで最も高値を記録したのは、草間彌生のアクリル・キャンバスの作品。草間の代表的なモチーフである黄色い南瓜を描いたLOT.085《無題》(18.4×14.2㎝)は、落札予想価格内の6555万円で落札されている。その他にも、奈良美智、ロッカクアヤコ、山口長男の作品が人気を集め、1000万円以上の高値で取引された。中でも、オークションカタログの表紙を飾った山口長男の作品LOT.031《小さい窓》(油彩・板、59.0×90.0㎝)は、落札予想価格800~1400万円に対し、2012万5000円の高値がつき、競り上がりとともに注目を集めた。
活発な競りが展開され興味を引いたのは、1日目に出品された黒田泰蔵の白磁作品LOT.048《丸台皿》(14.0×24.0×24.0 cm)。落札予想価格20~30万円を大きく上回り、437万円で落札されている。陶芸家である黒田の白磁作品は、国際的に高く評価されており、その価値を一層高める結果となった。
今回は、アンディ・ウォーホル(1928-1987)に焦点を当てる。ウォーホルは、ポップアートの象徴的な存在として知られるアメリカのアーティストである。広告イラストレーターとしてキャリアをスタートさせ、1960年代初頭にはポップアートの先駆者として一躍注目を集めた。大衆文化や消費社会をテーマに多くの作品を制作し、特にキャンベルスープの缶やマリリン・モンローの肖像画は有名で、商業主義とアートの融合を象徴する作品となっている。
本セールでは、1日目にシルクスクリーン作品が3点出品され、いずれも落札予想価格上限の1.5倍前後で落札されている。代表的なモチーフであるキャンベルスープの缶の作品LOT.005《Chicken Noodle, from Campbell’s Soup I (F. & S. Ⅱ.45) 》(88.9×58.4㎝、Ed.250)は、落札予想価格500~800万円に対し、1150万円という高値で落札された。本作の同じ作品シリーズの国内での落札データを抽出し、ACF美術品指標で動向を見る。
2019年から2020年の落札予想価格平均は250~350万円程度、落札価格平均は400万円程度だった。2023年には、落札予想価格平均が400~680万円に上昇し、落札価格平均は925万円まで達した。さらに2025年までには、落札予想価格平均が緩やかに上昇し、落札価格平均は1150万円程度に達している。いずれの年も落札予想価格以上で落札され、堅調に推移している。ウォーホルの作品は、国際的に多くのコレクターの間で非常に人気が高く、上昇相場が持続することが期待される。今後もその動向を注視していきたい。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第70回 SBIアートオークション Bloom Now
2025年3月8日(土)13:00~ 会場:東京国際フォーラム ホールD5
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館 6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
会場: 郵船ビル1F(東京・丸の内)
セール: 近代美術PartⅡ/近代美術/コンテンポラリーアート
日時: 2024年11月23日(土)14:00~
落札総額:410,075,000円(落札手数料含まず)
落札率:89.7%
作品数:155点(落札139点、不落札16点)
昨年11月23日(土)にシンワオークションが主催するオークションが開催された。本セールでは、近代美術PartⅡ、近代美術、コンテンポラリーアートの3ジャンルより、国内外で活躍する作家の絵画や工芸などの良品が155点出品された。うち139点の作品が落札され、落札率は89.7%を記録。全体の落札総額は4億1007万5000円(落札手数料含まず・以下同)と好結果を残した。
トップロットとなったのは、近代美術の最終LOTで出品されたマルク・シャガールの作品。恋人たちを描いた青を基調とした紙作品LOT.128《ヴィチェプスクとシルスの木の下の恋人たち》(64.6×54.7㎝、紙・インク、グワッシュ、パステル、テンペラ)は、落札予想価格4500~6500万円に対し9000万円と、落札予想価格上限の1.5倍の価格で落札された。シャガールは”色彩の魔術師”と呼ばれ、色彩表現が豊かな作家である。その中でも青い色は、”シャガール・ブルー”と呼ばれ、市場では高く評価されている。青が印象的なシャガールの優品に、注目が集まる結果となった。
コンテンポラリーアートからは、落札予想価格平均190~270万円程度の作品が27点出品された。他のジャンルと比較すると出品点数は少ないものの、カタログ上ではポップアートの特集を組み、ジャスパー・ジョーンズ、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンシュタインの作品を丁寧に紹介するなど、作品への関心が高まる構成となっていた。落札総額は、5521万円、落札率は74%を記録している。
同ジャンル内で、最高落札となったのは、李禹煥の作品。LOT.158李禹煥《照応》(72.6×65.4㎝、キャンバス・油彩・顔彩)。落札予想価格2500~3500万円に対し、予想価格内の3200万円で落札された。トップロットとなったシャガール作品に次ぐ、高額落札作品となっている。
今回は、李禹煥(リ・ウーファン,1936-)にスポットを当てる。李は、韓国で生まれ日本で活動する現代美術家。1960年代後半に日本で起こった芸術運動「もの派」の中心的な作家の一人で、理論的な基盤を築いた作家と言われる。ガラスや鉄板などで構成され「対象物の配置のみ」のインスタレーションや、キャンバスに線や点を反復的に描いていく平面作品が主な表現手段で、平面作品では「From point」「From line」シリーズなどが代表作として広く知られている。
出品作品と同じ技法の《照応》シリーズ20~30号の落札データをまとめたACF美術品パフォーマンス指標で動向を読み解く。
2012年、落札予想価格400~500万円に対し、予想価格下限を下回る370万円で落札。5年後、2017年は、ほぼ横ばい推移となっており、翌2018年から、上昇が始まる。2021年になり、落札予想価格1500~2500万円、落札価格は1900万円と高騰する。今回のセールでも、2021年から落札予想価格は1000万円の上昇、落札価格は1.68倍まで伸びをみせた。
落札予想価格を大幅に超える目立つ伸びは見られないものの、上昇した落札予想価格内でも確実に落札され、堅調だ。現状、3000万円程度となるが、更なる上昇を見せることになるのか動向が楽しみだ。
●次回のシンワオークション開催予定●
2025年3月22日(土)14:00~(開場13:30)
会場:丸の内・郵船ビル1F
近代美術/コンテンポラリーアート/近代美術Part II
【お問合せ先】
Shinwa Auction株式会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1F
TEL:03-5224-8620 E-mail:info@shinwa-auction.com
セール: 第68回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
日 時: 2024年10月25日(金)・26日(土)両日13:00~
会 場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
落札総額: 1,529,592,000円(落札手数料含む)
落札率: 90.3%
作品数: 308点(落札278点、不落札30点)
10月25日(金)・26日(土)にヒルサイドフォーラム(東京・代官山)で、SBIアートオークションによるオークション「Modern and Contemporary Art」が開催された。国内作家、海外作家の良質な作品が平面作品を中心に、308点出品された。通常、セール前には同会場内で下見会が行われ、実際の作品を鑑賞することができる。今回のセールでは、10月初旬に韓国・ソウルで海外巡回の下見会を行う、初めての試みもあり、開催前から注目が集まった。2日間の出来高は、落札総額15億2959万2000円(落札手数料含む・以下同)、落札率は90.3%を記録し、年内最後のセールを好結果で締めくくった。
1日目は、マルチプル(量産)作品を中心に落札予想価格平均70~113万円程度の作品が169点出品された。単日の落札総額は1億8855万4000円、落札率は92.3%となった。2日目は、オリジナル作品を中心に、落札予想価格平均660~1114万円程度の作品が139点出品された。単日の落札総額は、13億4103万8000円、落札率は、72.2%となった。
1日目のセール冒頭には、草間彌生のマルチプル作品が19点続けて出品された。2日目には、オリジナル作品を主に8点の出品があり、合計28点の草間作品がセールにかけられた。1点のみ不落札だったが、他の作品はすべて落札予想価格を超えて落札されている。中でも、LOT.219《Pumpkin》(アクリル・キャンバス、45.5×38.0㎝)は、落札予想価格内の2億4725万円で落札され、トップロットとなった。草間だけの落札総額は7億8723万2500円を記録し、揺るぎない存在感をみせた。
大きな競り上がりで関心を集めたのは、2日目に出品されたLOT.196、中村宏の作品。セーラー服姿の一つ目や、のっぺらぼうの女学生が汽車に乗っている様子を描いた心象風景画の《修学旅行》(油彩・キャンバス、72.7 × 90.9 cm)は、落札予想価格200~300万円に対して、予想価格上限の7倍程度となる2300万円で競り落とされた。
今回は、今井麗(いまい・うらら、1982‐)にスポットを当て、レポートする。神奈川県で生まれた今井は、多摩美術大学で油彩画を学び、2006年頃から活動している油彩画家である。生まれつき難聴で、音のない世界で生きている。身近にあるものをモチーフに、日常の何気ない現実風景などを優しい光とともに静謐に描く作風で知られ、国内外で高い評価を得ている。
本セールでは、2日目にオリジナル作品が2点続けて出品された。LOT.276《BUTTER TOAST》(油彩・キャンバス、24.2×33.2㎝)は、落札予想価格180~280万円に対し、506万円で落札された。代表的なモチーフであるトーストを描いた作品である。続く、LOT.277《PANCAKE》(油彩・キャンバス、22.0×27.3㎝)は落札予想価格160~260万円に対し、517万5000円で落札された。いずれの作品も落札予想価格上限を超えて落札されている。 LOT.276と同じ「トースト」を描いた3~6号の油彩作品の落札データを抽出し、ACF美術品指標で動向を見る。
落札予想価格平均は、2021年40~70万円から始まり、右肩上がりで上昇し、2024年では180~280万円まで4倍程度伸びている。落札価格平均は2021年240万円程度から始まり、常に落札予想価格平均を大きく上回り推移し、堅調だ。2023年に350万円程度まで下降するが、2024年には再び500万円程度の高値となった。この結果を受け、落札予想価格の更なる伸びが期待される。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第69回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
2025年1月25日(土)・26日(日) 会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction 2. SALE#241010 Modern and Contemporary Art
日 時: 2024年10月10日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#241010/15:00~
落札総額: 135,650,000円(落札手数料含まず)
落札率: 80.3%
作品数: 233点(落札187点、不落札46点)
10月10日(木)にマレットジャパンで、M-Live Auction”と近現代美術のオークションSale#241010が開催された。オンライン開催のM-Live Auctionでは、マルチプル作品を中心に落札予想価格平均12~18万円程度の作品が115点出品され、落札総額は1408万円、落札率は73.9%を記録した。一方、会場で開催されたセール#20241010では、落札予想価格平均78~112万円程度の作品が118点出品され、落札総額は1億2157万円、落札率は86.4%に達した。2つのセールの落札率は80.3%、落札総額は1億3565万円(落札手数料含まず・以下同)となっている。
トップロットは、LOT.087ベルナール・ビュッフェの作品《開かれた窓》(100.2×73.4㎝、油彩・キャンバス)で、落札予想価格600~1000万円のところ、落札予想価格内の920万円で落札された。2つのセールで、ビュッフェの作品は12点出品されたが1点を除いてすべて落札予想価格以上で落札され、堅実な結果を残している。次点は、オークションカタログの表紙を飾ったLOT.118パブロ・ピカソの版画作品。《肘掛け椅子の女No.4》(69.8×54.7㎝、リトグラフ、ed.50)は、落札予想価格600~800万円のところ、上限同額の800万円で落札された。ピカソは他にも競り上がりを見せ、注目を集めた作品もあった。中でもLOT.113《ヴァロリスの闘牛》(64.6×53.2㎝、リノカット、ed.195)は、落札予想価格60~80万円のところ、上限の3.4倍程度の270万円で落札されている。
全体的にヨーロッパ作家の好調が目立ち、ジョアン・ミロ、モイーズ・キスリング、アレコス・ファシアノスなどが良い結果を残した。
今回は、20世紀に活躍した日本の芸術家で、抜群の知名度を誇る岡本太郎(おかもと・たろう、1911-1996)にフォーカスを当てレポートする。岡本は、鮮やかな原色を用い、強烈なメッセージ性を持つ独特なスタイルの作品を手掛ける。絵画だけでなく、壁画や彫刻、製品デザイン等、作品ジャンルも幅広く、中でもパブリック・アートを多く残したことでも知られている。1970年に開催された大阪万博のシンボルタワーとなった作品《太陽の塔》や、渋谷駅に展示されている巨大壁画《明日の神話》などが代表作として挙げられ、現在も衆目に触れている。
会場で開催されたセールでは、2点の出品があった。いずれも落札価格上限の1.5倍程度で落札されている。1点目のLOT.051 《坐ることを拒否する椅子》(H45.7×W46.0×D46.0㎝、セラミック)は、座面に大きな眼があしらわれた座りづらい椅子の作品。本作と同一の作品の落札データを抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標から動向をみる。
2019年には落札予想価格平均43~66万円に対し、82万円程度の落札である。2021年頃まで落札予想価格平均は、ほぼ横ばいに推移する。落札価格も同じくほぼ横ばい推移ではあるが、2021年に100万円に達する程度まで上昇する。2023年の落札予想価格平均は、80~120万円と上昇し、落札価格は230万円と高騰がみられた。そして、2024年今回のセールでは、2023年と落札予想価格は同額の80~120万円、落札価格は185万円となっている。前年より下降しているが、落札予想価格を上回り落札され、堅調といえよう。今後も動向を注視していきたい。
●次回のマレットジャパンオークション開催予定●
2024年12月12日⁽木曜日) 2セール同日開催
1.M-Live Auction オンライン限定ライブ配信型オークション
2.Mallet Auction Sale 会場:マレットジャパン オークションハウス
【お問合せ先】 株式会社マレットジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481 E-mail:art@mallet.co.jp
セール: 第67回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
日 時: 2024年9月13日(金)13:00~ 14日(土)13:00~
落札総額: 224,537,500円(落札手数料含む)
落札率: 91.1%
作品数: 492点(落札448点、不落札44点)
9月13日(金)・14日(土)の2日間、SBIアートオークションによる現代アートのオークションが、オンラインで開催された。国内外で活躍する259名の作家による作品が492点、競りにかけられた。2日間の落札総額は2億2453万7500円(落札手数料含む・以下同)、落札率は91.1%に達した。
1日目は、マルチプル作品を中心に、落札予想価格平均14~22万円程度の作品が237点出品された。絵画だけでなく、写真や立体作品、アーティストとコラボレーションしたBE@RBRICKなども多く出品され、バラエティ豊かで見応えある構成となっていた。単日の落札総額は5192万2500円、落札率は93.3%を記録した。最高額で落札されたのは、LOT.032松山智一の《IF I FELL FROM ME TO YOU》(デジタルプリント・シルクスクリーン・グリッター・コーターニス・オリジナルフレーム、92.1×92.1×3.8cm、Ed.100)で、落札予想価格30~50万円のところ、230万円で落札された。競り上がりを見せたのは、彫刻家であるコムロタカヒロのソフビ彫刻作品。LOT.059《Neo Doublethink》(ソフトビニール・スチール・オリジナルパッケージ、28.5×20.0×7.0cm)は、落札予想価格10~15万円のところ、88万5500円で落札され、落札予想価格上限の5倍を超える伸びをみせた。
2日目は、オリジナル作品を中心に、落札予想価格平均37~60万円程度の作品が255点出品された。単日の落札総額は、1億7261万5000円、落札率は、89.0%を記録した。トップロットとなったのは、本オークションカタログの表紙を飾った加藤泉の立体作品LOT.307《無題》(木・石・アクリル・椅子、99.0 × 44.0 × 85.0 cm)で、落札予想価格400~800万円のところ、1322万5000円で落札されている。活気ある競りが展開されたのは、日本画家である大舩真言の作品LOT.403《STILL WAVE #5》(岩絵具・顔料・パネルにマウントした麻紙、53.0 × 45.5 cm)。落札予想価格5~10万円に対し、予想価格上限の15倍程度の166万7500円で落札されている。国際的評価も高い作家のオークション初出品となる作品に注目が集まり、華々しい結果を収めた。
今回は、2022年8月にも同レポート内で紹介したKYNE(キネ、1988‐)を再びピックアップし、レポートする。KYNEは出身地である福岡を拠点に2006年頃から活動しているグラフィティアーティストである。クールな表情の女性を平面的でシンプルに描く作品スタイルを確立した独自の世界観が高く評価されている。
本セールでは、2日目にマルチプル3点、オリジナル2点、合計5点の出品があった。いずれの作品も落札予想価格内~落札予想価格上限を超えて落札されている。中でもLOT.312《Untitled》(アクリル・キャンバス、65.2×53.0㎝)は、落札予想価格350~550万円のところ、落札予想価格上限を上回る1069万5000円で落札され、トップロットとなった加藤泉に次ぐ高額落札作品となった。
セール冒頭に出品されたLOT.239《Untitled》(シルクスクリーン・キャンバス、30.0×30.0㎝、Ed.100)と同一作品の落札情報を抽出したACF指標から動向をみる。
2021年では落札予想価格80~120万円に対し、落札予想価格上限を超える150万円程度で落札されている。出品回数も多く、12回の出品があった。以降、落札予想価格は、ほぼ横ばい推移となっている。2022年では落札予想価格80~130万円に対し、落札価格は260万円程度となり、高騰傾向が見られた。2023年は落札価格下降し185万円程度となるが、落札予想価格上限を超え落札されている。今回の出品では落札予想価格80~140万円のところ、241万5000円と、やはり上限を超えて落札され、堅調を維持している。
2018年11月の初出品以降、多くの作品がオークションに出品されてきたKYNE。全作品の落札データからも、出品数に対して不落札が少なく、定着した人気が伺える。益々の活躍が期待される作家の一人だ。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第69回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
2025年1月25日(土)・26日(日) 会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777