会場: 代官山ヒルサイドフォーラム
セール: 第58回 SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art
日時: 2023年5月26日(金)・27日(土) 各13:00~
落札総額:1,099,607,000円(落札手数料含む)
落札率: 91.6%
作品数: 320点(落札293点、不落札27点)
SBIアートオークションによる現代アートのオークションが5月26日(金)27日(土)の2日間に渡り、代官山のヒルサイドフォーラムで開催された。セールでは、国内外で広く知られる作家、話題の若手作家、日本初紹介となる海外の新進気鋭作家など、国内の作家を中心に全320点の作品が競りにかけられた。落札総額は10億9960万7000円(落札手数料含む・以下同)、落札率91.6% と高記録を達成した。
1日目は、落札予想価格平均82~133万円程度の作品がセールにかけられた。単日の落札総額は2億1115万1500円、不落札は僅か8点で落札率は94.2%を記録している。セール冒頭では、奈良美智、村上隆、草間彌生のマルチプル作品が連続して出品された。既に評価が高い作家の順当な競りが続き、快調なスタートとなった。中でも、草間彌生は、13LOT(1LOT、他作家との出品含む)連続で出品があり、そのほとんどが落札予想価格上限を超えて落札される手堅い人気を見せた。
2日目は、落札予想価格平均304~490万円程度の作品が出品された。オリジナル作品を中心に182点の出品があった。単日の落札率は89.6%、落札総額は8億8845万5500円を記録している。
1点目に出品された中西怜の作品、LOT.142《Beach2》(101.0 × 151.0 × 10.5 cm、ジークレー、アクリル樹脂、アクリル、パネル、オリジナル額装)が、落札予想価格35~55万円のところ、276万円で落札された。落札予想価格下限の8倍近くとなる大幅な伸びをみせ、注目を集めた。
最高額で落札されたのは、独自の抽象絵画表現で国際的にも高く評価されている白髪一雄の作品。LOT198《無題》(73.0×91.5㎝、油彩・キャンバス)は、落札予想価格4000~7000万円のところ、1億1040万円で落札された。白髪は、他にも2点のオリジナル作品の出品があった。1点は落札予想価格上限を超えて落札され、もう1点は落札予想価格内の落札となり堅調を維持した。
今回は、山口歴(やまぐち・めぐる、1984‐)に焦点を当てる。山口は、23歳で渡米して以降、ニューヨークを活動拠点として活躍している現代アーティスト。鋭い色彩感覚と勢いのあるブラシストローク(筆致)を“カットアンドペースト”と呼ばれる独自の技法を用い制作された作品で高い支持を得ている。その秀でた独創性で有名ファッションブランドからのオファーによるコレボレーションも多く手掛けており、認知度も高い。
本セールでは、2日目にオリジナル作品が1点出品された。LOT.175《RD No.18》(94.0×146.0×2.5㎝、UVトップコート・アクリル・エポキシ樹脂・合板)は、落札予想価格300~500万円のところ、予想価格の上限に近い437万円で落札された。同じRDシリーズ、同サイズ(長辺100~150㎝)の過去の落札データを抽出したACF美術品指標から動向を読む。
※2022年は出品データが無かった為、除いてグラフ化している。
2019年の出品では落札予想価格平均70~100万円のところ、111万円で落札されている。2020年には、落札予想価格平均、落札価格平均ともに1.5~1.8倍程度まで上昇している。右肩上がりのグラフは続き、2021年には371万円程度まで落札価格平均を上げている。2023年、落札予想価格平均の上昇に対し、落札価格平均は予想価格内で収まり、横ばい推移となった。直近7月のセールでも、該当作品が落札予想価格内で落札されている。伸びは鈍ってきたものの、急速な下落は見られず安定している。市場景気が変動を見せる中、今後どのような動向を見せるか注視していきたい。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第60回SBIアートオークション LIVESTREAM AUCTION
2023年9月15日(金)・16日(土)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777
E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: M-Live Auction
SALE#230518 Modern and Contemporary Art
日時: 2023年5月18日(木曜日) M-Live/12:00~ SALE#230518/15:00~
落札総額: 187,260,000円(落札手数料含まず)
落札率: 72.2%
作品数: 248点(落札179点、不落札69点)
5月18日(木)マレットオークションで、”M-Live Auction”と近現代のアートオークションSale#230518が開催された。M-Live Auctionは、会場は設けず、オンライン同時入札を使って、オークショニアが競りを行う映像をリアルタイムで見ながら、パソコンやスマートフォンを通して参加するというスタイル。従来のセールとは異なり、下見会やカタログの掲載もなく、全てがオンラインのみで執り行われるオンライン完結型のオークションで、今回で2回目の開催となる。M-Live Auctionでは、落札予想価格平均19~28万円程度の作品が83点出品された。落札総額は1332万円、落札率は66.3%であった。一方、通常のセール#230518では、落札予想価格平均106~152万円程度の作品が、165点出品され、落札総額は、1億7394万円、落札率は73.3%となった。各セールの特性に合わせた価格帯と作品構成により行われた2つのセールの落札総額は1億8726万円、落札率は72.2%を記録している。
最高額で落札されたのは、会場で行われたセール中盤に出品されたロッカクアヤコのLOT.082《Untitled》(100.0×100.0㎝、キャンバス・アクリル)で、落札予想価格2000~3000万円に対し、2200万円で落札された。大きな伸びは見せなかったものの、根強い人気で手堅い落札結果となった。
高い伸び率を見せたのは、インド出身の現代美術家サクティ・ボーマンのLOT.128《束の間の歓び》(73.0×60.0㎝、キャンバス・油彩)。落札予想価格150~200万円に対し、750万円で落札された。サクティ・ボーマンの作品は、2022年12月のセールでも8号サイズの油彩作品が落札予想価格下限の5倍程度となる競り上がりを見せ、関心が寄せられていたが、今回も熱気を帯びた競りが展開され、落札予想価格下限の5倍まで記録を伸ばした。海外市場で既に高い評価を得ている作家の希少な出品に注目が集まる結果となった。
今回は、ミズテツオ(1944‐)に焦点を当てる。ミズは、イタリア、フランスなどヨーロッパ各地に滞在し、数多くの作品を制作している。中でも、船舶間の通信に用いられる国際船舶信号旗によるアルファベットを組み合わせた「フラッグ」シリーズが人気で、高く評価されている。アートフェアなどへの出展歴も多く、国内外で活躍の場を持つ作家である。
その「フラッグ」シリーズの1点、「J」「A」「M」のフラッグを組み合わせて描かれた作品、LOT.111《JAM》(99.7×65.0㎝、キャンバス・油彩)が会場で行われたセールに出品され、落札予想価格35~45万円のところ、54万円で落札された。近年出品された同一シリーズ、同サイズの動向をパフォーマンス指標から読み解く。
2017年の出品では、落札予想価格平均15~21万円程度、落札予想価格下限14万円程度の落札であった。以降2019年まで落札予想価格平均はほぼ横ばいに推移するが、落札価格平均は、1.2~1.3倍程度ずつ僅かながら上昇しており、2017年に落札予想価格下限程度だったところ、2019年には落札予想価格上限程度で落札されるようになった。2020年には、落札予想価格平均21~31万円、落札価格平均48万円までといずれも上昇をみせた。評価が上昇した後、2021年と2022年は出品が見られなかった。久しぶりの出品となった今回のセールで更なる好結果を残した。2021年には画業50周年を迎え、2022年には個展が開催されたことも、好材料となったかもしれない。豊かな色彩で明確なメッセージが込められたモダンな抽象画「フラッグ」シリーズの継続した上景気を期待したい。
- ●次回のマレットジャパンオークション開催予定●
2023年7月27日(木) 2セール同時開催
会場:マレットジャパン オークションハウス
【お問合せ先】
株式会社マレットジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481
E-mail:info@mallet.co.jp
会場: ライブ配信型オークション
セール: SBI ART AUCTION LIVE STREM
日時: 2023年4月14日(金)・15日(土) 各13:00~
落札総額: 286,988,250円(落札手数料含む)
落札率: 90.3%
作品数: 453点(落札409点、不落札44点)
SBIアートオークションによるLIVE STREAM AUCTIONが4月14日(金)15日(土)の2日間、開催された。オークションは、今年2月に移転したオフィスに併設された新しいLIVEスタジオからライブ配信で行われた。落札総額2億8698万8250円(落札手数料含む・以下同)、落札率90.3%。友沢こたおや今井麗など、最近注目されている作家の競り上がりも多くみられ、活況なセールとなった。
1日目は、落札予想価格平均22~36万円程度の作品が出品された。マルチプル作品を中心に269点の出品があった。単日の落札総額は9212万750円、落札率は89.6%を記録している。バックサイドワークスの版画作品LOT.046《河合塾》(I.53.0×53.0、シルクスクリーン、ed.30)が、最高額で落札された。落札予想価格70~120万円のところ、333万5000円で落札されている。引き続き、3点のバックサイドワークスの版画作品が出品された。落札予想価格は同額の70~120万円で、それぞれ落札予想価格上限あたりの100~130万円程度で落札されている。4点の中では、エディション数も少ない、大手予備校のポスターで使用されたお馴染みのモチーフ作品に人気が集中する結果となった。
2日目は、落札予想価格平均72~116万円程度の作品が出品された。オリジナル作品を中心に184点の出品があった。単日の落札総額は1億9486万7500円、落札率は91.3%だった。最高額で落札されたのは、LOT.321、KYNEの版画作品15点とKYNEと村上隆とのコラボレーション版画作品3点がセットになった作品。落札予想価格500~800万円のところ、1380万円で落札された。次点となったのは、KYNEのオリジナル作品だった。KYNEは3点の出品があったが、いずれも落札予想価格上限を超えて落札されており、好調だった。総じて、グラフィティ系アーティストの勢いが目立つ2日間となった。
今回は、くらやえみ(くらや・えみ、1995‐)に焦点を当てレポートする。くらやは、少女をテーマにしたマンガのような絵画を描くことで知られ、マンガ芸術家とも称される。若い頃から活躍の場は広く、国内外で個展やグループ展を開催した他、香港バーゼル、NYフリーズにも出展した経歴を持つ。多くの作品発表の場において、芸術と日本のマンガが融合したくらやの作品は、高く評価されている。この5月には、所属しているカイカイキキのギャラリーで個展を開催。今までの作品では見られなかったような構図の新作なども発表し注目を集めた。
本セールでは2日目の序盤、2点のオリジナル作品が出品された。セーラー服の少女を丁寧に書き上げ作品LOT.291《Untitled》(21.0×14.7㎝、ペン・紙)は、落札予想価格20~30万円のところ、80万5000円で落札されている。続くLOT.292《Untitled》(17.0×12.5㎝、色鉛筆、ボールペン、油性ペン、紙)は、落札予想価格15~25万円のところ、60万9500円で落札された。
後者の作品と同サイズ・同技法の過去の落札データを抽出したACF美術品指標から動向を読む。
2020年の出品では、落札予想価格10~15万円のところ、約16万円で落札されている。大きな競り上がりは見られないスタートだったが、翌2021年には、落札予想価格は2倍まで伸び、落札価格は、50万円近くまで上昇した。2022年には、ほぼ横ばい推移となる。今回のセールでは、落札予想価格がやや下降設定となったが、落札価格は大きな上昇を見せた。時価指数も右肩あがりに推移しており、好調だ。更なる活躍が期待される若手作家の今後の動向を注視していきたい。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第59回SBIアートオークション
2023年7月14日(金)・15日(土)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777
E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
会場: 東京国際フォーラム ホールD5
セール: Tokyo Contemporary: Redefined
日時: 2023年3月11日(土曜日)13:00~
落札総額: 797,789,500円(落札手数料含む)
落札率: 97.7%
作品数: 87点(落札85点、不落札2点)
日本最大級のアートフェアである「アートフェア 東京」が3月9日(金)からの4日間、東京国際フォーラムで開催された(9日は招待日)。国内外から多くの人々が集まり、総来場者は5.6万人に達した。アートフェア期間中、会場の別ホールでは、SBIアートオークションによる特別企画セールが開催された。本セールは “わたしたちの生きる現代社会をアートによって再定義する”というコンセプトのもと、昨年に開始されたセールで、今回で2回目の開催となる。
国内外で活躍する現代美術作家のオリジナル作品78点、マルチプル作品9点、合計87点の作品が出品された。通常、SBIアートオークションで開催されているセールと比較すると作品点数は少なかったものの、オリジナル作品を中心に優品が揃い、見応えのあるセールとなった。落札総額は、7億9778万9500円(落札手数料含む・以下同)。会場だけでなく、オンラインや電話からのビッドも活発に展開され、不落札はわずか2点のみで、落札率97.7%という高記録を達成した。
最近のオークションで活況な競りがみられる谷口正造が、今回のセールでも大幅な伸びを見せて会場を沸かせた。LOT.015《MOON SONG》(65.2×65.2㎝、アクリル・色鉛筆・木製パネル)は、落札予想価格30~50万円のところ、483万円で落札された。落札予想価格下限の約16倍にもなる価格で落札されている。この勢いがどこまで続くことになるか注目される。
草間彌生の代表的なモチーフ作品である“かぼちゃ”を描いた作品がトップロットを記録した。LOT.058《かぼちゃ(B.H.T)》(41.0×31.8㎝、アクリル・キャンバス)は、落札予想価格7000~1億3000万円のところ、1億7250万円で落札されている。次点には、井田幸昌の大型のオリジナル作品がランク入りを果たした。LOT.055《Picasso》(194.0×162.0㎝、油彩・キャンバス)は、落札予想価格1200~2200万円のところ、5520万円で落札された。高額な予想価格にはなるが、その予想を大きく上回る価格で落札されている。グローバルに活躍し、多くのコレクターからの熱い視線を集めている井田は2019年のオークション初出品の頃から好調で、堅調に推移している。
今回は、松山智一(まつやま・ともかず、1976‐)に焦点を当てる。松山は、アメリカ・ニューヨークを拠点に世界各地で活躍している現代美術家である。東洋と西洋、現代と古典、抽象と具象など対極するいくつもの要素が絶妙に組み合わせられ、緻密で色彩豊かに描かれた作品を特徴としており、平面作品や立体作品だけでなく、近年ではパブリックアートなども多く手掛け、国内外で高く評価されている。
セール中盤に出品されたLOT.047《Expecting Island in the Sun》(61.0×46.0㎝、アクリル・ミクストメディア・キャンバス)は、落札予想価格450~750万円のところ、954万5000円で落札された。
今回の作品と同サイズ・同技法の過去の落札データを抽出したACF美術品指標から動向を読む。
2021年9月の出品では、落札予想価格250~350万円のところ、約550万円で落札されている。翌年6月には、約410万円での落札となり、若干下降を見せるが落札予想価格上限近辺での落札。2023年に入ってからは約700~950万円で落札されている。常に落札予想価格上限を上回る価格で落札され、右肩あがりに推移しており、更なる上昇も期待される。現状、安定した作家といえるだろう。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第58回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART
2023年5月26日(金)・27日(土)/ ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777
E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: SALE#230302 Modern and Contemporary Art
日時: 2023年3月2日(木曜日)15:00~
落札総額: 132,230,000円(落札手数料含まず)
落札率: 69.5%
作品数: 141点(落札98点、不落札43点)
3月2日(木)、マレットオークションで2つのセールが開催された。午前中には、”M-Live Auction”という新しいオークションが開かれた。会場で競りに参加することはできず、オンライン同時入札を使って、オークショニアが競りを行う映像をリアルタイムで見ながら、パソコンやスマートフォンを通して参加するというもの。従来のセールとは異なり、下見会やカタログの掲載もなく、全てがオンラインのみで執り行われるオンライン完結型のオークションだ。若い購買層が魅力を感じるようなコンテンポラリー作品を中心に構成された120点の作品に多くの入札が集まった。
午後には、半蔵門にあるオークションハウスにて会場を用いた従来型のセールが開催された。そのセールでは国内作家56名、海外作家39名による作品141点がセールにかけられた。落札総額は、1億3023万円(落札手数料含まず・以下同)、落札率は69.5%だった。オンラインや電話などを用いた会場以外からのビッドが活発な印象のセールだった。
トップロットはセール序盤に出品されたアンディ・ウォーホルの版画作品である。1983年当時、世界で絶滅危惧種とされていた10の動物をモチーフに制作された「Endangered Species(絶滅危惧種)」シリーズの1作、LOT.006《Orangutan》(96.5×96.5㎝、シルクスクリーン)は、400~600万円のところ、2200万円で落札された。落札予想価格を大きく上回り、予想価格下限の5.5倍という大幅な伸びをみせた。
他にも大きな競り上がりで注目を集めたのは、ヌリ・アバクの作品。ヌリ・アバク(1926-2008)は、トルコ出身の現代芸術家のひとりで、伝統的なペルシャ絵画の技法で知られている。LOT.117《市場》(65.5×65.5㎝、キャンバス・油彩)は、落札予想価格20~30万円のところ、下限の10倍となる200万円で落札された。本セールでは、国内市場で出品が稀な海外作家によるオリジナル作品の盛況な競り合いが目立った。
今回は、仲衿香(なか・えりか、1994年~)に焦点を当てる。仲衿香は、身近にあるロゴや切り取った自然風景を絵画に落とし込み、アクリル絵の具を厚塗りした独特な質感を特徴とする作品を制作している。先日会期を終えたばかりの日本最大級の国際的なアートフェア「アートフェア東京」にも出展され、注目を集めていた。「CAF賞」の受賞歴もあり、新進気鋭の若手作家のひとりである。
本セールでは1点のオリジナル作品が出品された。LOT.004《35.660355,139.701410》(27.3×27.3.㎝、パネル・アクリル)で、落札予想価格25~35万円のところ、52万円で落札された。この作品は、タイトルの数字がGoogleマップの緯度と経度の座標になっている。その場所にしか存在しない独自性があるものを作品モチーフとして選び、その場所の座標をタイトル表記した「現在地」シリーズと言われる作品である。
本作品と同一サイズのオリジナル作品の動向をパフォーマンス指標からみる。
2021年1月の初出品では、落札予想価格10~15万円のところ、26万円で落札されている。その3か月後には34万円、1年後は65万円と右肩上がりに落札金額が上昇している。今回のセールで落札価格は下降をみせるが、落札予想価格を上回り落札されている。落札予想価格は、2021年以降、約2倍程度上昇し、徐々に評価を上げている。常に落札予想価格下限の3倍近くの価格で落札されており、好調を維持している。まだ作品も多く出回っていない希少さもあり、高騰傾向が見られるかもしれない。今後の活躍が期待される若手作家の動向を注視していきたい。
●次回のマレットジャパンオークション開催予定●
2023年5月18日 2セール開催
会場:マレットジャパン オークションハウス
【お問合せ先】
株式会社マレットジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481
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