セール: 第71回 SBIアートオークション LIVE STREAM AUCTION
日 時: 2025年4月11日(金)・12日(土)両日13:00~
落札総額: 207,874,000円(落札手数料含む)
落札率: 90.6%
作品数: 490点(落札444点、不落札46点)
4月11日(金)・12日(土)の2日間にわたり、SBIアートオークションによる現代アートのオークションが、オンラインにて開催された。国内外で活躍する作家の作品490点が出品され、そのうち444点が落札されている。落札総額は、2億787万4000円(落札手数料含む・以下同)、落札率は90.6%を記録し、通常のセールと変わらぬ結果を残した。
1日目には、抑えられた価格帯でありながら、豊富なバリエーションの作品が版画作品などを中心に247点出品され、コレクターの関心を集めた。落札総額は535万8500円、落札率は91.9%に達した。2日目には、油彩やアクリル作品などを中心に高額な作品を多く含む243点の作品が出品され、落札総額は1億5429万5500円、落札率は87.9%を記録した。
高額落札を記録したのは、イラストレーター永井博によるアクリル・キャンバスの作品。永井は、都市や海辺の風景を鮮やかな色彩で描き、ノスタルジックで爽やかな夏の雰囲気を表現した作風で知られている。その作品は、音楽アルバムのジャケットやCMなどにも用いられ、広く親しまれてきた。プール、建物、木々を鮮やかな色彩で描いた作品、LOT.271《Untitled》(80.3×65.3㎝)は、落札予想価格100~150万円に対し、落札予想価格を大きく超える1897万5000円の高値で落札された。永井は、昨年の9月のライブオークションでも好調な結果を残しており、今後さらなる活躍が期待される。
次いで、高額落札を記録したのは、オークションカタログの表紙を飾ったアンリ・マティスの作品。《JAZZ》シリーズより16点の鮮やかな色彩と大胆な構図が特徴的な切り絵の版画作品 LOT.343《16 plates from the portfolio “Jazz”》(各42.0×65.0㎝)は、落札予想価格400~700万円に対し、1380万円で落札された。フランスの巨匠と称されるマティスの代表作として、その価値を改めて証明する結果となった。
今回は、コムロタカヒロ(1985-)に焦点をあてる。東京都出身の彫刻家であり、幼少期に親しんだフィギュアやアメコミからインスパイアされた作品を制作することで知られている。東京藝術大学大学院を修了後、FRP(繊維強化プラスチック)やソフビ(ソフトビニール)を素材とした作品や木彫作品を発表し、独自の世界観で多くの人々を魅了している。
本セールでは1日目に3点、2日目に1点の作品が出品され、すべてが落札予想価格を上回る金額で落札された。特に1日目に出品されたソフビフィギュアの作品、LOT.049《Magic dragon sofubi #3》とLOT.050《Neo Doublethink》は大きな競り上がりを見せ、注目を集めた。
ドラゴンモチーフのLOT.049《Magic dragon sofubi #3》 (ソフトビニール、50.0×41.5×23.0㎝、ed.30)と同一作品の国内での落札データを抽出したACF美術品指標で動向を見る。
2023年10月のセールでは落札予想価格30~40万円に対し、約75万円で落札された。その後、2024年1月には、落札価格が約35万円に下落し、同年5月以降、落札予想価格は20~30万円の横ばい推移が続いている。一方で、落札価格は40万円前後で推移した後、2024年10月には約75万円まで復調し、今回のセールでは103万5000円で落札されている。今回のセールでは、激しい競り合いにより、急激な価格上昇となったが、実際の時価は40万円前後と捉えておくのが適切かもしれない。この価格上昇の動きが、今後の落札予想価格にどのように反映されるか、関心が寄せられる。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第73回 SBIアートオークション MODERN AND CONTEMPORARY ART
2025年7月12日(土)・13日(日) 会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】 SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館 6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 E-mail:artauction@sbigroup.co.jp