会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction 2. SALE#241010 Modern and Contemporary Art
日 時: 2024年10月10日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#241010/15:00~
落札総額: 135,650,000円(落札手数料含まず)
落札率: 80.3%
作品数: 233点(落札187点、不落札46点)
10月10日(木)にマレットジャパンで、M-Live Auction”と近現代美術のオークションSale#241010が開催された。オンライン開催のM-Live Auctionでは、マルチプル作品を中心に落札予想価格平均12~18万円程度の作品が115点出品され、落札総額は1408万円、落札率は73.9%を記録した。一方、会場で開催されたセール#20241010では、落札予想価格平均78~112万円程度の作品が118点出品され、落札総額は1億2157万円、落札率は86.4%に達した。2つのセールの落札率は80.3%、落札総額は1億3565万円(落札手数料含まず・以下同)となっている。
トップロットは、LOT.087ベルナール・ビュッフェの作品《開かれた窓》(100.2×73.4㎝、油彩・キャンバス)で、落札予想価格600~1000万円のところ、落札予想価格内の920万円で落札された。2つのセールで、ビュッフェの作品は12点出品されたが1点を除いてすべて落札予想価格以上で落札され、堅実な結果を残している。次点は、オークションカタログの表紙を飾ったLOT.118パブロ・ピカソの版画作品。《肘掛け椅子の女No.4》(69.8×54.7㎝、リトグラフ、ed.50)は、落札予想価格600~800万円のところ、上限同額の800万円で落札された。ピカソは他にも競り上がりを見せ、注目を集めた作品もあった。中でもLOT.113《ヴァロリスの闘牛》(64.6×53.2㎝、リノカット、ed.195)は、落札予想価格60~80万円のところ、上限の3.4倍程度の270万円で落札されている。
全体的にヨーロッパ作家の好調が目立ち、ジョアン・ミロ、モイーズ・キスリング、アレコス・ファシアノスなどが良い結果を残した。
今回は、20世紀に活躍した日本の芸術家で、抜群の知名度を誇る岡本太郎(おかもと・たろう、1911-1996)にフォーカスを当てレポートする。岡本は、鮮やかな原色を用い、強烈なメッセージ性を持つ独特なスタイルの作品を手掛ける。絵画だけでなく、壁画や彫刻、製品デザイン等、作品ジャンルも幅広く、中でもパブリック・アートを多く残したことでも知られている。1970年に開催された大阪万博のシンボルタワーとなった作品《太陽の塔》や、渋谷駅に展示されている巨大壁画《明日の神話》などが代表作として挙げられ、現在も衆目に触れている。
会場で開催されたセールでは、2点の出品があった。いずれも落札価格上限の1.5倍程度で落札されている。1点目のLOT.051 《坐ることを拒否する椅子》(H45.7×W46.0×D46.0㎝、セラミック)は、座面に大きな眼があしらわれた座りづらい椅子の作品。本作と同一の作品の落札データを抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標から動向をみる。
2019年には落札予想価格平均43~66万円に対し、82万円程度の落札である。2021年頃まで落札予想価格平均は、ほぼ横ばいに推移する。落札価格も同じくほぼ横ばい推移ではあるが、2021年に100万円に達する程度まで上昇する。2023年の落札予想価格平均は、80~120万円と上昇し、落札価格は230万円と高騰がみられた。そして、2024年今回のセールでは、2023年と落札予想価格は同額の80~120万円、落札価格は185万円となっている。前年より下降しているが、落札予想価格を上回り落札され、堅調といえよう。今後も動向を注視していきたい。
●次回のマレットジャパンオークション開催予定●
2024年12月12日⁽木曜日) 2セール同日開催
1.M-Live Auction オンライン限定ライブ配信型オークション
2.Mallet Auction Sale 会場:マレットジャパン オークションハウス
【お問合せ先】 株式会社マレットジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481 E-mail:art@mallet.co.jp
セール: 第67回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
日 時: 2024年9月13日(金)13:00~ 14日(土)13:00~
落札総額: 224,537,500円(落札手数料含む)
落札率: 91.1%
作品数: 492点(落札448点、不落札44点)
9月13日(金)・14日(土)の2日間、SBIアートオークションによる現代アートのオークションが、オンラインで開催された。国内外で活躍する259名の作家による作品が492点、競りにかけられた。2日間の落札総額は2億2453万7500円(落札手数料含む・以下同)、落札率は91.1%に達した。
1日目は、マルチプル作品を中心に、落札予想価格平均14~22万円程度の作品が237点出品された。絵画だけでなく、写真や立体作品、アーティストとコラボレーションしたBE@RBRICKなども多く出品され、バラエティ豊かで見応えある構成となっていた。単日の落札総額は5192万2500円、落札率は93.3%を記録した。最高額で落札されたのは、LOT.032松山智一の《IF I FELL FROM ME TO YOU》(デジタルプリント・シルクスクリーン・グリッター・コーターニス・オリジナルフレーム、92.1×92.1×3.8cm、Ed.100)で、落札予想価格30~50万円のところ、230万円で落札された。競り上がりを見せたのは、彫刻家であるコムロタカヒロのソフビ彫刻作品。LOT.059《Neo Doublethink》(ソフトビニール・スチール・オリジナルパッケージ、28.5×20.0×7.0cm)は、落札予想価格10~15万円のところ、88万5500円で落札され、落札予想価格上限の5倍を超える伸びをみせた。
2日目は、オリジナル作品を中心に、落札予想価格平均37~60万円程度の作品が255点出品された。単日の落札総額は、1億7261万5000円、落札率は、89.0%を記録した。トップロットとなったのは、本オークションカタログの表紙を飾った加藤泉の立体作品LOT.307《無題》(木・石・アクリル・椅子、99.0 × 44.0 × 85.0 cm)で、落札予想価格400~800万円のところ、1322万5000円で落札されている。活気ある競りが展開されたのは、日本画家である大舩真言の作品LOT.403《STILL WAVE #5》(岩絵具・顔料・パネルにマウントした麻紙、53.0 × 45.5 cm)。落札予想価格5~10万円に対し、予想価格上限の15倍程度の166万7500円で落札されている。国際的評価も高い作家のオークション初出品となる作品に注目が集まり、華々しい結果を収めた。
今回は、2022年8月にも同レポート内で紹介したKYNE(キネ、1988‐)を再びピックアップし、レポートする。KYNEは出身地である福岡を拠点に2006年頃から活動しているグラフィティアーティストである。クールな表情の女性を平面的でシンプルに描く作品スタイルを確立した独自の世界観が高く評価されている。
本セールでは、2日目にマルチプル3点、オリジナル2点、合計5点の出品があった。いずれの作品も落札予想価格内~落札予想価格上限を超えて落札されている。中でもLOT.312《Untitled》(アクリル・キャンバス、65.2×53.0㎝)は、落札予想価格350~550万円のところ、落札予想価格上限を上回る1069万5000円で落札され、トップロットとなった加藤泉に次ぐ高額落札作品となった。
セール冒頭に出品されたLOT.239《Untitled》(シルクスクリーン・キャンバス、30.0×30.0㎝、Ed.100)と同一作品の落札情報を抽出したACF指標から動向をみる。
2021年では落札予想価格80~120万円に対し、落札予想価格上限を超える150万円程度で落札されている。出品回数も多く、12回の出品があった。以降、落札予想価格は、ほぼ横ばい推移となっている。2022年では落札予想価格80~130万円に対し、落札価格は260万円程度となり、高騰傾向が見られた。2023年は落札価格下降し185万円程度となるが、落札予想価格上限を超え落札されている。今回の出品では落札予想価格80~140万円のところ、241万5000円と、やはり上限を超えて落札され、堅調を維持している。
2018年11月の初出品以降、多くの作品がオークションに出品されてきたKYNE。全作品の落札データからも、出品数に対して不落札が少なく、定着した人気が伺える。益々の活躍が期待される作家の一人だ。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第69回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
2025年1月25日(土)・26日(日) 会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777
会場: 郵船ビル1F(東京・丸の内)
セール: 近代美術PartⅡ/MANGA/コンテンポラリーアート/近代美術
日時: 2024年7月20日(土)14:00~
落札総額:187,865,000円(落札手数料含まず)
落札率:88.32%
作品数:197点(落札174点、不落札23点)
7月20日(土)にシンワオークションのセールが開催された。シンワオークションは、東京を拠点に、美術品の他、酒類、東西アンティーク、ジュエリー、ブランドバッグ、時計など幅広いジャンルを取り扱う大規模オークションハウスである。今回のセールでは、マンガ22点、近代美術66点、近代美術PartⅡ79点、コンテンポラリーアート30点の4ジャンルより、絵画・書・工芸などの良品が合計197点出品され、うち174点の作品が落札された。全体の落札総額は1億8786万5000円(落札手数料含まず・以下同)、落札率は88.32%を記録した。
セール内での高額落札をマークしたのは、近代美術から出品されたレオナール・フジタ、加山又造の作品。序盤に出品されたレオナール・フジタLOT.153《横座りの猫》(24.0×32.3㎝、紙・墨)と、終盤に出品された加山又造のLOT.198《晴れが行く》(80.0×117.4㎝、絹本・彩色)の2作品は、いずれも落札予想価格内の1550万円で落札されている。高名作家の優品に関心が集まり、高い評価を得る結果となった。
コンテンポラリーアートでは、落札予想価格平均28~46万円程度の作品が30点出品された。落札総額は、1239万円、落札率は90.0%と好結果となった。ジャンル内で高額落札を記録したのは、LOT.133キース・へリング《「Pop Shop IV」より》(34.3×41.8㎝、シルクスクリーン、Ed.200)。落札予想価格150~250万円に対し、予想価格上限の1.32倍の330万円で落札された。次いで、高額落札となったのは、LOT.122李禹煥の《Dialogue1》 (66.8×56.9㎝、木版画、Ed.120)で、先のキース・へリングと同じ落札予想価格に対し、260万円で落札されている。既に評価が高い作家の版画作品が順当な落札をみせた。
今回は、Mark Drew(マーク・ドリュー、1978‐)にスポットを当てる。ドリューは、オーストラリア出身のグラフィックアーティストで、世界的に知られるシドニーのチャイナ・ハイツ・ギャラリーの共同創設者でもある。アメリカのマンガ『ピーナッツ』に登場するスヌーピーやチャーリー・ブラウンなどのキャラクターとラップの風刺的な歌詞を組み合わせ、マンガの一コマを描いた特徴的な作風で人気を集めている。
本セールでは、オリジナル作品が1点出品された。LOT131《ALWAYS CALM(EPMD)》(80.7×80.4㎝、アクリル・キャンバス)は、落札予想価格50~80万円のところ、予想価格上限の約1.3倍の105万円で落札された。
出品作品と類似作品の落札データをまとめたACF美術品パフォーマンス指標で動向を読み解く。
2020年、落札予想価格平均20~30万円に対し、落札価格平均は87万円程度で、予想価格上限の約2.9倍となる跳ね上がりをみせた。2021年には、落札予想価格平均が67~105万円まで吊上がり、落札価格平均も126万円まで上昇する。同年9月には同一作品が出品され、90万円で落札されていた。2022年、落札予想価格平均は下降するが、落札価格平均は横ばい推移となる。2023年は、落札価格平均が落札予想価格平均内に落ち込む。これは、落札された作品の1点が概ね良好というあまり良くないコンディションだったことも影響しているかもしれない。そして、今回の出品で、再び調子を戻した。
相場の上下動はあるが、落札価格は落札予想価格平均下限を下回ることなく推移している。現状、80~100万円程度が落札価格の目安と言えるだろう。今後の動向も注視していきたい。
- 次回のシンワオークション開催予定●
2024年10月26日(土)11:00~(開場10:30)
会場:丸の内・郵船ビル1F
西洋美術 BAG/ jewellery&Watches オークション
【お問合せ先】
Shinwa Auction株式会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1F
TEL:03-5224-8620 E-mail:info@shinwa-auction.com
会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction 2. SALE#240718 Modern and Contemporary Art
日 時: 2024年7月18日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#240/15:00~
落札総額: 200,950,000円(落札手数料含まず)
落札率: 77.7%
作品数: 197点(落札153点、不落札44点)
7月18日(木)に開催されたマレットジャパンの”M-Live Auction”と近現代美術のオークションSale#240718のオークションをレポートする。オンラインだけの開催となるM-Live Auctionでは、落札予想価格平均15~21万円程度の作品が 82点出品された。落札総額は1130万円、落札率は70.7%であった。一方、会場で開催されたセール#20240718では、落札予想価格平均112~167万円程度の作品が115点出品され、落札総額は1億8965万円、落札率は82.6%を記録している。2つのセールの落札率は77.7%、落札総額は2億95万円(落札手数料含まず・以下同)と高記録を達成し、活気あるセールとなった。
最高額で落札されたのは、今回のオークションカタログで表紙を飾った草間彌生の0号のオリジナル作品LOT.57《南瓜》(18.0×14.0㎝、キャンバス・アクリル)で、落札予想価格4000~6000万円のところ、6000万円で落札された。他にも、木版画やレリーフなど7点の出品があったが、全ての作品が落札予想価格以上で落札されている。草間作品だけで落札総額は、1億310万円を記録した。
他、ベルナール・ビュッフェ、マルク・シャガール、モーリス・ユトリロなど海外作家の好調が目立った。
落札予想価格を大幅に上回る落札で盛り上がる競りを見せたのは、アメリカの抽象表現主義の画家サム・フランシスの3連作、LOT.11《An Other Set-Y(Triptych);「The Pasadena Box」より》(39.4×172.0㎝、パネルに紙・リトグラフ)。落札予想価格35~45万円のところ、落札予想価格上限の3.1倍となる140万円で落札された。他にも2点の版画作品が出品されていたが、1点は不落札、もう1点は落札予想価格上限での落札となっている。
今回は、橋本ユタカ(はしもと・ゆたか、1979-)にスポットを当てる。橋本は、白い背景上に独自のキャラクターを残像のように重ねて描いた作品を発表している。2022年から国内市場を中心にオークションで流通がみられ、出品当初からアートコレクターの注目を集めている作家である。
本セールではオリジナル作品が2点出品された。LOT.033《無のための習作(見た目は偏りを生むのか#017)》(100.0×80.3㎝、パネル・アクリル)は、落札予想価格35~45万円に対し、60万円で落札された。続くLOT.034《無のための習作(2つの肖像画#006-1)》(145.5×122.0㎝、キャンバス・アクリル)は、落札予想価格50~70万円に対し、上限同額の70万円で落札されている。
どちらも橋本を代表するシリーズ作品《無のための習作》ではあるが、LOT.033と同じ《見た目は偏りを生むのか》シリーズ、同一サイズの落札データを抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標から動向をみる。
2022年には落札予想価格22~37万円に対し、落札予想価格上限を大幅に上回る142万円程度の落札となっている。翌2023年では落札予想価格平均が30~50万と若干上昇するが、落札価格は、56万円程度と下降する。2024年は、落札予想価格上限、落札価格に若干の下降が見られるが、ほぼ横ばいである。同一作品の落札結果をみると、2022年7月には48万円、2023年5月には26万円、今回のセールでは60万円と一番良い結果を残している。
2023年以降下落している印象も受けるが、出品当初の急騰が目立つ為であり、現状では落札予想価格程度に落ち着いている。まだオークションへの出品が少ない新進作家のこれからの活躍に期待が高まる。
●次回のマレットジャパンオークション開催予定●
2024年10月10日(木) 2セール同日開催
1.M-Live Auction オンライン限定ライブ配信型オークション
2.Mallet Auction Sale 会場:マレットジャパン オークションハウス
※YouTubeにて、ライブ配信も行っています。
【お問合せ先】 株式会社マレットジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481 E-mail:info@mallet.co.jp
会場: 代官山ヒルサイドフォーラム
セール: MODERN AND CONTEMPORARY ART
日 時: 2024年7月6日(土)13:00~ 7日(日)13:00~
落札総額: 890,393,250円(落札手数料含む)
落札率: 94.5%
作品数: 290点(落札274点、不落札16点)
東京代官山にあるヒルサイドフォーラムで7月6日(土)・7日(日)の2日間に渡り、SBIアートオークションが開催された。本セールでは、戦後美術から最先端のコンテンポラリー作品まで、国内外のマーケットで注目されている作家159名(他作家・共作出品は1名でカウント)、290点の作品が出品された。その落札総額は8億9039万3250円(落札手数料含む・以下同)、落札率は94.5%を記録し、活気のあるセールとなった。
1日目は、既に評価が確立されている作家のオリジナル作品を中心に、落札予想価格平均280~460万円程度の作品が165点出品された。マルチプル作品、立体作品はもちろん、セール序盤には、写真作品を集めたセクションがあるなど多様な作品種で構成された見応えのあるセールだった。単日の落札総額は8億2441万2000円、落札率は95.2%の高記録を達成している。高額落札には、草間彌生、奈良美智、キース・へリング、KYNEなどが名を連ね、いずれも落札予想価格上限近辺で順当に落札されていた。大きな競り上がりをみせたのは、セール後半に出品された劉鋒植(リュウ・フォンジー)のLOT.128《作品》(アクリル・キャンバス、60.0 × 50.0 cm)。落札予想価格上限の6倍近くの伸びをみせ、注目を集めた。落札予想価格50~80万円のところ、529万円で落札されている。
2日目は、セカンダリーマーケットではまだフレッシュな顔ぶれとなる作家の作品を中心に、落札予想価格29~45万円程度の作品が251点出品された。単日の落札総額は、1億3573万4500円、落札率は87.3%を記録した。この日、トップロットを飾った作品は、『ポケモン』誕生25周年を記念し、バカラとフラグメントデザインによるコラボレーションで制作された作品《PIKACHU FRAGMENT》。高さ約30cm、重さ8.3kgサイズのピカチュウを模したクリスタルの作品は、落札予想価格180~280万円のところ、落札予想価格内の264万5000円で落札されている。
今回は、先に紹介した劉鋒植に次いで大幅な伸びを見せ注目を集めた作家、山本麻友香(やまもと・まゆか、1964‐)にスポットを当てる。山本は、岡山県出身のアーティストで、武蔵野美術大学大学院修了後、文化庁芸術家在外研究員としてイギリスに滞在していた経歴を持つ。動物を身に纏った少年をモチーフに独自の世界観を描き、多くのコレクターを魅了している。国内だけでなくアジアのマーケットを中心に海外でも流通が見られ、近年、活躍が目立つ作家の一人である。
本セールでは、1日目の後半にペンギンの被り物をした少年を描いたLOT.114《Penguin Boy》(油彩・キャンバス、60.6×45.5㎝)1点の出品があった。落札予想価格100~150万円のところ、609万5000円で落札されている。出品作品と近似サイズとなる8~12号の油彩・キャンバス作品の落札情報を抽出したACF指標から動向をみる。
2018年では落札予想価格平均15~25万円に対し、落札予想価格内の18万4000円で落札されている。以降、落札予想価格、落札価格ともに右肩上がりに上昇する。2022年では、落札予想価格平均55~75万円に対し、400万円程度で落札と高騰傾向が見られる。他のサイズの落札データにおいても、2021年あたりから徐々に評価を高めてきていることがわかる。そして、2024年、今回のセールでも更に上昇を見せ、好調な結果を残している。まだ相場が急騰して間も無い為、この上昇基調が継続するという見方には注意が必要だが、変わらぬ好調に期待は高まる。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第67回 SBIアートオークション LIVE STREAM
2024年9月13日(金)・14日(土)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777
E-mail:artauction@sbigroup.co.jp