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オークションレポート

2025.11.25

会場:マレットジャパン オークションハウス
セール:1. M-Live Auction(オンライン)
2. SALE#20251002  Modern and Contemporary Art (会場型)
日 時:2025年10月2日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#251002/15:00~
落札総額:133,770,000円(落札手数料含まず)
落札率:69.9%
作品数:243点(落札170点、不落札73点)
 

10月2日(木)、美術品専門オークション会社、マレットジャパンによるオークションが東京都千代田区にて開催された。オンライン限定の「M-Live Auction」と、会場で競りを行う通常形式の「Sale#20251002」の2セールが同日に開催された。
「M-Live Auction」では、比較的手頃な価格帯の現代アート作品123点が出品され、77点が落札。落札総額は1584万円(手数料含まず・以下同)となった。一方、Sale#20251002では、国内外で評価の高い作家の作品を中心に120点が出品され、93点が落札。落札総額は1億1793万円に達した。両セールを通じた落札総額は1億3377万円、落札率は69.9%を記録し、全体としては安定した市場の動きがうかがえる結果となった。

Sale#20251002 では、岡本太郎やマリノ・マリーニの版画作品が、落札予想価格上限の3.5倍に達する競り上がりを見せ、会場を沸かせた。ほか、活気ある展開で注目を集めたのが、最終ロットで出品されたサクティ・ボーマンのLOT.120《ブランコ》(キャンバス・油彩、27.1×35.3㎝)。予想価格200〜300万円に対し、940万円で落札さ、トップロットに次ぐ高額落札となった。色彩豊かで幻想的なスタイルが特徴のボーマン作品は、出品のたびに価格が高騰する傾向があり、国内外のコレクターから安定した支持を集めている。セールの締めくくりにふさわしい、熱気ある競りとなった。
トップロットとなったのは、草間彌生の10㎝大の南瓜の立体作品。予想価格上限の1.8倍となる1450万円で落札され、草間の変わらぬ人気と市場での評価の高さが際立った。全体としては、作家や作品によって動きに差は見られたものの、要所で印象的な競り上がりが展開され、記憶に残るセールとなった。

今回は、イギリスの現代美術を語る上で欠かせないアーティスト、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney、1937-)を取り上げる。ホックニーは、1960年代のポップ・アート運動に参加し、その革新的な視点と鮮やかな色彩感覚で注目を集めた。創作は油彩やドローイングにとどまらず、版画、フォトコラージュ、舞台美術など多岐にわたり、ジャンルを横断する表現力を発揮している。近年では、iPhoneやiPadを用いたデジタル作品も発表しており、テクノロジーを取り入れた新たなアプローチで、表現の幅をさらに広げている。
本セールでは、詩人ウォレス・スティーブンとピカソの絵にインスパイアされて制作された詩画集からの作品である“ブルー・ギター”シリーズから3点、プールサイドをモチーフとした作品1点、計4点の版画作品が出品された。なかでもLOT.016で出品された《My Pool and Terrace》(エッチング・アクアチント、60.5×90.5㎝、Ed.250)が好調で、落札予想価格150~200万円に対し、落札予想価格を超える260万円で落札された。
本作品と同一作品の過去のオークションデータを抽出したACF指標より、その動向をみる。

2511ACF美術品パフォーマンス指標

2511ACF美術品時価指数

2019年には落札予想価格115~160万円に対し、220万円で落札。以降、落札予想価格は緩やかに上昇し、2025年には165~240万円となっている。一方、落札価格は2022年・2024年にやや下降し、180万円程度となったが、2025年には落札予想価格上限に近い235万円程度まで回復した。いずれの年も落札予想価格上限に迫るか、それを超える水準で落札されており安定した動向が見て取れる。不落札も見られない。《My Pool and Terrace》は根強い人気を背景に、今後も堅調な評価を維持していくことが期待される。

 
●次回のマレットオークション開催予定●
M-Live Auction(オンライン)12時開始/ 通常オークション(会場型)15時開始
2025年12月4日(木)
【お問合せ先】   株式会社マレット ジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480  FAX:03-5216-2481   E-mail:art@mallet.co.jp

2025.10.28

セール:  第74回 SBIアートオークション LIVE STREAM
日 時:  2025年9月12日(金)・13日(土)両日11:00~
会 場: オンライン
落札総額: 218,321,750円(落札手数料含む)
落札率: 89.0%
作品数: 537 点(落札478点、不落札59点)

 

9月12日(金)・13日(土)の2日間にわたり、SBIアートオークション主催による20世紀以降の近現代アートのオンラインオークションが開催された。国内外で活躍する313名の作家による537点の作品が出品され、活発な競りが展開された。総落札額は2億1832万1750円(落札手数料を含む)、落札率は89.0%と、堅調な結果を収めた。
初日は、マルチプル作品を中心に落札予想価格平均14~23万円の作品が289点出品された。絵画や立体作品だけでなく、カタログ・レゾネ(作家の作品を網羅的に記録した絵目録)が多数含まれており、幅広い出品構成になった。単日の落札総額は5920万2000円、落札率は89.3%を記録した。2日目は、オリジナル作品を中心に、落札予想価格平均38~62万円の作品が、248点出品された。単日の落札総額は1億5911万9750円、落札率は88.7%となっている。落札率は初日をやや下回る結果となったが、金額面では大きく伸長し、セール全体の成果を押し上げる形となった。

今回のセールで最高落札額を記録したのは、草間彌生のLOT.315《かぼちゃ(黄Y)》(シルクスクリーン、60.4×72.3cm、Ed.120)。落札予想価格500~800万円に対し、1115万5000円で落札された。「かぼちゃ」をモチーフとしたシルクスクリーン作品は他にも4点出品され、いずれも好調に落札されている。スカーフやカップ&ソーサーなどのグッズも堅調に落札されており、草間彌生の市場における根強い人気が改めて示された。
大きな競り上がりを見せたのは、マリー・ローランサンのLOT.210で出品された、全2巻・ブックケース付きのカタログ・レゾネ。落札予想価格3~5万円に対し、29万9000円で落札され、予想価格上限の5倍を超える結果となった。今回のセールでは、海外主要作家のカタログ・レゾネが35点出品され、いずれも予想価格以上で落札された。作家の活動や作品背景に関心を寄せるコレクターが多く、カタログ・レゾネが収集対象として高い支持を得ていることがうかがえる。

今回は、名和晃平(1975~)にスポットを当ててレポートする。名和は京都を拠点に活動する彫刻家。2002年に発表した「PixCell」シリーズで注目を集めた後も、生命や感性、テクノロジーといったテーマを軸に、彫刻の枠を超えた表現を探求している。空間インスタレーションや建築プロジェクトなども手掛け、その独自の表現は、国内外において高く評価されている。
本セールでは、初日に2点、2日目に5点の作品が出品された。そのうち、2日目の序盤に出品されたインクをキャンバスに流して重力で描くシリーズ作品、LOT.336 《Direction#102》(ペイント・キャンバス・ユニーク、35.0×65.0×6.0cm)について、市場での評価をACF美術品パフォーマンス指標で分析する。

2510ACF美術品パフォーマンス指標

2510ACF美術品時価指数

今回、落札予想価格70~130万円に対し、178万2500円で落札された本作。2019年は落札予想価格平均70~100万円の出品に対し、落札平均は約170万円となった。その後、落札価格平均は2022年に約200万円、2024年に約170万円、2025年には約160万円と、ほぼ横ばいで推移している。常に落札予想価格上限を超えて落札が続いており、相場は150~200万円程度で安定している。この動向から、「Direction」シリーズは一過性の人気ではなく、継続的な評価を得ている作品であると読み取れ、今後も市場において堅調な推移が期待される。

●次回のSBIアートオークション開催予定●
第76回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
2026年1月24日(土)・25 日(日)  会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692   FAX:03-3529-0777
E-mail:artauction@sbigroup.co.jp

2025.09.29

セール:  第73回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
日 時:  2025年7月12日(土)・13日(日)両日12:00~
会 場: ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
落札総額: 637,531,250円(落札手数料含む)
落札率: 91.1%
作品数: 369点(落札336点、不落札33点)

2025年7月12日(土)・13日(日)の2日間にわたり、SBIアートオークションによる現代アートのオークション「Modern and Contemporary Art」が東京・代官山のヒルサイドフォーラムで開催された。
絵画や版画、彫刻、インスタレーションなど、多彩なジャンルの作品が計369点出品され、そのうち336点が落札された。2日間の総落札額は6億3753万1250円(落札手数料含む・以下同)に達し、落札率は91.1%という好成績を記録した。

初日は高額作品を中心に195点が出品され、落札総額は5億5809万5000円、落札率は89.2%を記録。これに対し2日目は、比較的手頃な価格帯の作品を中心となり、174点が出品された。落札総額は7943万6250円、落札率93.1%と、こちらも高い成果を上げた。
2日間にわたるセールで最高額を記録したのは、草間による代表的なモチーフである黄色い南瓜を描いた作品、LOT.079《南瓜(FPZ)》(アクリル・キャンバス、15.8 × 22.7㎝)で、落札予想価格内の7245万円で落札された。次いで、アンディ・ウォーホルによるLOT.039《CHANEL, from Ads (F. & S. Ⅱ.354)》(シルクスクリーン、96.5 × 96.5 ㎝)が3680万円で落札され、高額取引となった。これにさらに、ロッカクアヤコ、松山智一、KYNEといった現代アーティストの作品も大きな関心を集め、いずれも1000万円を超える価格で落札されるなど、セール全体に活気をもたらした。
中でもひときわ脚光を浴びたのは、小松美羽の代表的な神獣シリーズの立体作品である。LOT.108《1. 山犬様 和になる ユニコーン/2. 山犬様 和になる パイコーン》(金箔・アクリル・FR、各約50㎝前後)は、落札予想価格250~350万円を大きく上回る1322万5000円で落札され、作品の霊的な存在感と芸術的価値の高さを印象付ける結果となった。

今回は、ヤノベ ケンジ(1965-)に焦点を当てる。ヤノベは、SF的世界観と社会批判を融合させた造形作品を展開している現代美術作家である。京都芸術大学の教授として教育にも携わり、創造工房「ウルトラファクトリー」のディレクターも務めている。代表作には、《アトムスーツ》《SHIP’S CAT》《サン・チャイルド》などがあり、国内外で高い評価を受けている。
本セールでは、2日目に2点の立体作品が出品され、どちらも落札予想価格上限を超えて落札された。中でもLOT.298《ミニ・ジャイアント・トらやん》(ミクストメディア・ソフトビニール、71.0×42.0×35.0㎝、Ed.100)は、落札予想価格10~15万円に対し、60万9500円で落札され、落札予想価格に対し、最も際立つ伸びを見せた作品となった。

2509ACF美術品パフォーマンス指標

2509ACF美術品時価指数

同作品の過去の落札データをもとにしたACF美術品指標で動向を分析すると、2020年以降、落札予想価格は平均して10~15万円前後でほぼ横ばい推移している。それに対し、落札価格は年ごとに変動が見られ、2020年の45万円を起点に、25万、35万、31万、そして今回の60万円と、上下に揺れながら幅のある推移を見せている。落札価格には変動がみられるものの、常に落札予想価格を上回っており、市場において根強い支持を集めていることがうかがえる。
ヤノベの作品は、芸術祭や公共空間での展示も多く、今後も幅広い層から関心を寄せられるだろう。さらなる活躍と共に、その動向にも一層の期待が高まる。

●次回のSBIアートオークション開催予定●
第75回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
2025年10月25日(土)・26日(日)  会場(予定):ヒルサイドフォーラム
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館 6F
TEL:03-3527-6692  FAX:03-3529-0777     E-mail:artauction@sbigroup.co.jp

2025.08.28

会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction(オンライン)
2. SALE#20250717  Modern and Contemporary Art (会場型)
日 時:  2025年7月17日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#250717/15:00~

落札総額: 160,750,000円(落札手数料含まず)
落札率: 73.6%
作品数: 208点(落札153点、不落札55点)

 

7月17日(木)、マレットジャパンで2種のオークションが開催された。12時から開始されたオンライン限定のM-Live Auctionでは、比較的抑えた価格帯の現代アート作品を中心に107点が出品された。そのうち72点が落札され、落札総額は1522万円(落札手数料含まず・以下同)となった。15時から会場で開催されたSale#20250717では、国内外で既に高い評価を得ている作家の作品を中心に101点の作品がセールにかけられた。そのうち81点が落札され、落札総額は1億4553万円に達した。両セールの落札総額は、1億6075万円、落札率は73.6%を記録している。

Sale#20250717のオークションでは、草間彌生のキャンバス・アクリル、パブロ・ピカソのリトグラフ、アンディ・ウォーホルのシルクスクリーンなどが高額落札となった。中でも、ピカソのLOT.072《花柄の服を着た女性》(リトグラフ、63.5×50.6㎝、Ed.50以外の刷り)は、白熱した競りで注目が集めた。落札予想価格40~60万円に対し、落札予想価格上限の約4.3 倍となる260万円で落札された。本セールでは、ピカソの版画作品が6点出品され、いずれも落札予想価格以上で落札されている。ピカソ作品だけの落札総額は1416万円を記録し、落札総額に大きく貢献した。
トップロットを飾ったのは、草間彌生の象徴的なモチーフである黄色い南瓜を描いたLOT.051《南瓜》(キャンバス・アクリル、15.8×22.7㎝)。落札予想価格4000~6000万円に対し、6000万円で落札された。多くのコレクターに支持される作家が期待通りの成果を上げ、熱気あふれるセールとなった。

今回は、ダミアン・ハースト(Damien Hirst、1965-)に焦点を当て、レポートする。イギリス生まれの現代美術家であるハーストは、ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(1990年代の若手コンテンポラリー系アーティストの総称)の先駆け的な存在として知られている。生と死を主なテーマとし、多くの作品を手掛けている。
本セールでは、ハーストの代表的な作品「神の愛のために(For the Love of God)」の関連シリーズから、版画作品の出品があった。18世紀の人間の頭蓋骨をかたどったプラチナに8601個の純ダイヤモンドで敷き詰めた彫刻作品をシルクスクリーンにした作品LOT.012《For the Love of God, Laugh》(シルクスクリーン・グレーズ・ダイヤモンドダスト、100×75㎝、Ed.250)は、落札予想価格100~150万円に対し、落札予想価格内の125万円で落札された。本作品と同一作品の過去のオークションデータを抽出したACF指標より、その動向をみる。

2508ACF美術品パフォーマンス指標

2508ACF美術品時価指数

2019年は落札予想価格100~150万円に対し、下限同額の100万円で落札されている。以降、落札予想価格は緩やかに上昇し、2021年には130~180万円とグラフ内で最高値を記録する。その後、2年間は出品が確認されていない。2024年再び市場に登場すると、落札予想価格は2019年当時と同額の100~150万円へと戻る結果となった。そして、2025年、横ばい推移となっている。
落札価格は、2020年の155万円を最高額とし、2021年以降2025年まで、130万円前後で、横ばいの推移が続く。常に落札予想価格内で落札され、安定した動きを見せており、本作においては130万円がおおよその時価と言える。今後の市場環境や評価の変化を踏まえ、価格動向が上昇へと転じるか、引き続き注目される。

 
●次回のマレットオークション開催予定●
M-Live Auction(オンライン)/ 通常オークション(会場型)
2025年10月2日(木)
【お問合せ先】   株式会社マレット ジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480  FAX:03-5216-2481   E-mail:art@mallet.co.jp

2025.07.28

セール:  第72回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
日 時:  2025年5月23日(金)・24日(土) 各日13:00~
落札総額: 732,228,000円(落札手数料含む)
落札率: 90.2%
作品数: 306点(落札276点、不落札30点)

 

5月23日(金)・24日(土)の2日間にわたり、SBIアートオークションによる現代アートのオークションが、代官山ヒルサイドフォーラム(東京)にて開催された。国内外で活躍する作家の作品306点が出品され、そのうち276点が落札された。24日(土)には、オンライン入札システムに予期せぬ障害が発生し、セールが一時中断されたが、迅速な対応により翌25日(日)13時から再開され、全ての作品のセールは無事に完了した。本セールの落札総額は、7億3222万8000円(落札手数料含む・以下同)、落札率は90.2%を記録している。

1日目には、落札予想価格平均50~90万円程度の抑えられた価格帯の作品を中心に139点の作品が出品された。単日の落札総額は1億1501万1500円、落札率は92.1%に達した。2日目(3日目含む)には、落札予想価格平均240~400万円程度の作品が167点出品され、落札総額は6億1721万6500円、落札率は88.6%を記録した。
トップロットとなったのは、2日目に出品された草間彌生のオリジナル作品2点。LOT.188《花》(アクリル・キャンバス、38.0×45.5㎝)と、続くLOT.189《かぼちゃ》(アクリル・キャンバス、15.8×22.7㎝)は、落札予想価格5000~8000万円のところ、落札予想価格内の6555万円で落札された。草間作品は、本セール最多となる13点が出品され、1億9883万5000円の落札総額となった。
次いで、高額落札となったのは、ハイライト作品として紹介されていたKAWSのLOT.204《OHHH…》(アクリル・キャンバス、147.3×294.6×4.4㎝)。人型ロボットのシルエットをグラフィカルに描いた大型作品は、落札予想価格1800~2800万円に対し、予想価格を大きく超える6095万円の高値で落札され、注目を集めた。優れた実績を持つ作家たちが、期待通りの順調な成果を示し、セールを盛り上げた。
大きな競り上がりをみせたのは、劉鋒植(リュウ・フォンジー)の肖像画LOT.181《Ying’ai》(油彩・キャンバス、60.0 × 50.0 ㎝)。落札予想価格の100~150万円に対し、落札予想価格上限の5倍程度となる805万円で競り落とされた。劉の肖像画は、人物の内面を巧みに表現しながら、観る者に強い印象を与えることで知られ、評価されている。今回のセールでは、その価値がさらに引き上げられた。

今回は、川内理香子(かわうち・りかこ、1990-)にスポットをあてる。川内は、食への関心や身体の他者性をテーマに、ドローイングや油彩の他にも、針金やネオン管、樹脂など様々な素材による作品を展開し、それぞれの素材の特性を活かした表現で知られている。若手ながらその実力は高く評価されており、国内外で幅広く支持されている。
本セールでは1日目にLOT.088《banana boat》(油彩・キャンバス、45.5×38.0㎝)1点の出品があった。落札予想価格20~30万円に対し、57万5000円で落札されている。本作と類似する川内の6~10号サイズの油彩・キャンバス作品の国内での落札データを抽出したACF美術品指標で動向を見る。

2507ACF美術品パフォーマンス指標

2507ACF美術品時価指数

2023年10月のセールでは、落札予想価格20~30万円に対し約41万円で落札された。落札予想価格は、その後も20~30万円と安定して推移している。2025年2月には25~35万円程度に上昇しているが、これは出品作品が大きい号数(10号)だったことが影響していると考えられる。さらに、落札価格は常に予想価格上限を1.5倍前後上回る水準を保ち、好調を維持している。この右肩上がりの傾向がどこまで続くのか、今後の動向に関心が寄せられる。

 

●次回のSBIアートオークション開催予定●
第74回 SBIアートオークション LIVE STREAM AUCTION
2025年9月12日(金)・13日(土)
【お問合せ先】 SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館 6F
TEL:03-3527-6692   FAX:03-3529-0777   E-mail:artauction@sbigroup.co.jp

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