会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction(オンライン)
2. SALE#20260716 Modern and Contemporary Art (会場型)
日 時: 2026年7月16日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#260716/15:00~
落札総額: 193,850,000円(落札手数料含まず)
落札率: 80.7%
作品数: 212点(落札171点、不落札41点)
マレットジャパンによる国内外の近現代美術オークションが7月16日(木)、東京都千代田区で開催された。オンライン限定の「M Live Auction」と、会場で競りを行う「Sale #260716」の2つのセールが行われ、いずれも良好な成果を収めた。
「M Live Auction」では出品作品108点のうち79点が落札され、落札総額は、1841万円(落札手数料含まず、以下同)となった。過去最多となるオンラインビッド参加申込数となった本セールでは、終始盛況な取引が展開された。一方、会場開催の「Sale #260716」では、出品作品104点のうち92点が落札され、落札総額は 1億7544万円を記録した。両セールを合わせた落札総額は1億9385万円、落札率は80.7%となり、安定した市場の厚みを感じさせる好結果となった。
「Sale #260716」では、戦後美術、ポップアート、現代アート分野で強い競争が見られ、草間彌生、ロッカクアヤコ、KYNE、花井祐介などの国内人気作家に加え、ラウル・デュフィやベルナール・ビュッフェなど海外近代美術も堅調な成績を示した。最高額で落札されたのは、ラルフ・デュフィの作品。LOT.104《ローズ色のカジノ》(キャンバス・油彩、65.5×81.0㎝)は、落札予想価格1000~1500万円に対し、上限の1.8倍となる2700万円で落札された。ラウル・デュフィらしい軽快な筆致と鮮やかな色彩が印象的な本作は、今回のオークションカタログの表紙にも採用されている。国内市場でデュフィの肉筆作品が出品される機会は限られており、本作は近代フランス美術を代表する画家の優品として注目を集めた。続いてアンディ・ウォーホルの版画作品が2400万円、草間彌生作品2点が1450万円および1350万円で落札されるなど、評価の定着した作家の作品を中心に活発な競りが展開され、セール全体が終始盛り上がりをみせる内容であった。
今回は、間部マナブ(まべ・まなぶ、1924-1997)を取り上げ、レポートする。間部は、熊本県生まれの日系ブラジル人で、間部マナブ、マナブ・マベとも表記される。ブラジルに移住し、コーヒー農園で働きながら画家を志し、34歳で「サンパウロ・ビエンナーレ展」の最高賞を受賞するなど、注目を集めた。鮮烈な色彩で描かれる個性的な抽象画により“ブラジルのピカソ”と称され、世界的に活躍した芸術家である。
本セールでは、「M Live Auction」で2点、「Sale #260716」で1点、合計3点作品が出品された。いずれの作品も落札予想価格を超えて落札されている。「Sale #260716」で出品されたLOT.038《覇者》(キャンバス・油彩、53.0×45.5㎝)は、落札予想価格30~40万円に対し、44万円で落札。本作と同じ10号油彩作品の過去のオークションデータを抽出したACFパフォーマンス指標で動向を読み解く。
落札予想価格平均は、2022年の20~30万円、2023年以降はおおむね27~38万円前後で推移し、2026年に31~42万円へ上昇した。落札価格平均も2022年20万円、2023年30万円、2024年38万円と右肩上がりに推移する。2025年は平均落札価格30.5万円と前年を下回ったものの、依然として予想価格帯の範囲内で推移しており、2026年には50万円程度まで上昇し、最高水準に達している。
ACF美術品時価指数では、中央値は2022年の20万円から2026年には46万円へと上昇し、約2.3倍の伸びを示した。2023年や2025年は落札価格にばらつきがみられ、作品の内容や制作年代、来歴などによる評価の差が反映されたものと考えられる。しかしながら、中央値は中長期的に上昇基調を維持しており、市場全体の流動性も保たれているといえよう。堅実な結果を残す間部作品の好調持続が期待される。
●次回のマレットオークション開催予定●
M-Live Auction(オンライン)12時開始/ 通常オークション(会場型)15時開始
開催日:2026年10月1日(木) ■下見会開催中■
【お問合せ先】 株式会社マレット ジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481 E-mail:info@mallet.co.jp
セール: 第82回 SBIアートオークション Modern and contemporary Art
日 時: 2026年7月10日(金)・11(土) 各12:00~
会 場: ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
落札総額: 657,087,000円(落札手数料を含む)
落札率: 86.9%
作品数: 390点(落札399点、不落札51点)
2026年7月10日(金)と11日(土)の2日間、代官山ヒルサイドフォーラムにて第82回SBIアートオークション-Modern and Contemporary Art-が開催された。国内外の近現代アートの作品が総計390点出品され、落札総額は657,087,000円、落札率は86.9%と、近年の同セールの水準を維持する結果となった。
1日目は写真、版画、若手作家の小作品や中堅作家の立体やミクストメディアなど幅広いカテゴリーが並び、バランスの取れた構成となった。出品185点中159点が落札され(落札率85.9%)、落札総額は65,084,250円を記録した。平均落札価格は約35万円となっている。
2日目は205点中180点が落札され、落札総額は592,002,750円となり、2日間の総額の大半を占める結果となった。落札率は、前日と同程度の87.8%となっている。平均落札価格は約290万円に達し、高額ロットが集中した一日となった。草間彌生、奈良美智、村上隆、ロッカクアヤコ、KYNE といった国内外で評価の高いコンテンポラリー作家の大型作品が複数高額で落札され、特に草間彌生の版画や立体作品は予想上限を大きく上回る結果を示し、市場の強さを改めて印象づけた。トップロットとなったのは、奈良美智のLOT.313《Hund mit Sarg(No.YNF954)》(アクリル・キャンバス、60.0×60.0㎝)で、落札予想価格内の4600万円で落札された。奈良の作品は、他にも木版画や紙作品などの出品があったが、いずれも落札されている。次いで、ロッカクアヤコキャンバス作品は2800万円、村上隆のキャンバス作品は2600万円と高額で落札されている。2日間を通じて、主要ロットを中心に堅調な競り上がりが続き、セール全体の充実した内容を示す結果となった。
今回は、井上有一(いのうえ・ゆういち、1916~1985)にスポットを当てる。井上は、戦後前衛書の中心的存在として知られ、既存の書の枠を超えた独自の造形表現を切り開き、現代美術の領域でも高い評価を確立した書家である。その作品は、サンパウロ・ビエンナーレやドイツのドクメンタなどでも展示され、国際的にも広く認知され、国内外で確固たる存在感を示してきた。
本セールでは、初日のセール中盤に1点の出品が見られた。巨大な和紙にボンド墨を用いて書き上げられた一文字の書、LOT.275《象》(ボンド墨・和紙・パネル、90.5×122.8㎝)は、落札予想価格400~700万円に対し、480万円で落札された。
本作と類似作品の国内での落札データを抽出したACFパフォーマンス指標からその動向をみると、2020~2026年にかけて落札予想価格・落札価格は緩やかな変動を経ながら、2026年には上昇傾向が確認できる。2020年は落札予想価格が250~350万円、落札価格は250万円で、翌2021年~2024年まで落札予想価格はほぼ横ばい、落札価格は350万円前後で安定した取引が続いた。2026年には予想価格が400~700万円へ引き上げられ、落札価格も440万円に達し、市場の評価がより高い価格帯へと移行したことが読み取れる。
併せて、ACF美術品時価指数でも、落札中央値は2020年の250万円から、2021~2024年は350万円前後で推移し、2026年には440万円へ到達している。高値・安値ともに2026年で上昇しており、価格帯全体が底上げされたことが確認できる。市場全体としても過度な振れ幅のない状況が続いており、落ち着いた水準の中で安定して推移している。予想価格と落札価格が大きく離れることなく、時価指数でも中央値が安定していることから、当該作品群への需要は堅調に持続しているとみられる。今後の動向にも引き続き注目が寄せられる。
※本レポート内に記載の落札価格は、手数料を含まないハンマープライスです。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第83回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
2026年9月11日(金)・12日(土) 各日 11:00~
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
セール:第81回 SBIアートオークション
A Passage from the Important Japanese Collection
日 時: 2026年5月30日(土)12:00~
会 場: 代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
落札総額: 182,326,750円(落札手数料を含む)
落札率: 100.0%
作品数: 251点(落札251点、不落札0点)
SBIアートオークションは5月後半、2週にわたり大規模なセールを開催した。初週の22日(金)・23日(土)に行われた「Modern and contemporary Art」では、国内外の近現代アートが多彩に紹介された。翌週30日(土)開催の「A Passage from the Important Japanese Collection」は、
ひとりのコレクターが集めた作品を公開する特別セールである。そのコレクションには、伝統的な浮世絵や日本画をはじめ、現代美術、写真作品、立体表現など、幅広いジャンルの作品が含まれており、コレクターの審美眼と選択の傾向がそのまま反映された、まとまりと奥行が感じられる構成となっていた。
ここからは、特別セール「A Passage from the Important Japanese Collection」に注目し、レポートする。本セールの落札総額は1億8232万6750円(落札手数料を含む)を記録。落札予想価格下限~中間帯の価格で落札される作品も多く見られたが、全ロットが落札され、落札率100%という極めて高い結果を示した。トップロットとなったのは、セール終盤で出品されたLOT.227ジョルジョ・デ・キリコの《イタリア広場》(油彩・キャンバス、39.9×49.7㎝)である。落札予想価格2000~3000万円に対し、3600万円で落札された。デ・キリコは、20世紀美術の流れを変えた「形而上絵画(メタフィジック・アート)」の創始者として知られる。本作は、彼が繰り返し描いた代表的モチーフであり、形而上絵画を象徴する作品群のひとつである。国際的なブルーチップ作家である一方、国内オークションへの出品自体が極めて稀であり、希少性の高い優品の登場に大きな注目が集まった。次いで、加山又造、棟方志功、鴨居玲といった国内の著名作家による作品が500万円前後で落札され、ミドルレンジでも堅調な動きがみられた。こうした動きの中で、浅野弥衛10点、浜口陽三22点というまとまった点数の出品もあり、両者の作品群はセール内で存在感を示した。いずれの作品も予想価格を超えて落札され、セール盛会の後押しとなった。
今回は、香月泰男(かづき・やすお、1911~1974)にスポットを当てる。香月は、戦争体験を深く作品に反映させた昭和を代表する洋画家の一人である。シベリア抑留の体験をもとに描いた《シベリア・シリーズ》は、香月の画業を象徴する作品として広く知られている。
本セールでは、中盤に2点の出品が見られた。LOT.094《木版画集「タヒチ」》(木版画8点・オリジナルケース、ed.100)は、落札予想価格内の20万円で落札された。続くLOT.095《菊花》(油彩・キャンバス、33.5×21.4㎝)は、落札予想価格200~300万円に対し、400万円で落札されている。香月は晩年に静物画を集中的に制作しており、本作もその流れに位置づけられる。暗い背景と黄土色の下地に黄色い一輪の菊を配置した簡潔な構図で、静けさが宿る一作である。
本作と類似する作品の落札結果を抽出したACFパフォーマンス指標から、市場動向を確認する。
落札予想価格は、2019年・2020年の両年で225~325万円の価格帯が設定され、2021年には300~400万円へと引き上げられ、2024年も同水準で推移した。2026年に入ると予想価格は200~300万円へと下方修正されている。一方、落札価格は、2019年から2024年まで325万円前後で推移しており、市場の底堅さがうかがえる。2026年には落札予想価格が下方修正されたにもかかわらず、落札価格は400万円に達し、予想上限を大きく上回る結果となった。落札の推移からは、香月への安定した評価がうかがえ、今後の動向にも関心が寄せられる。
※本レポートに記載の落札価格は、手数料を含まないハンマープライスです。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第83回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
2026年9月11日(金)・12日(土)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 E-mail:artauction@sbigroup.co.jp
会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction(オンライン)
2. SALE#20260305 Modern and Contemporary Art (会場型)
日 時: 2026年5月14日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#260514/15:00~
落札総額: 118,340,000円(落札手数料含まず)
落札率: 78.1%
作品数: 187点(落札146点、不落札41点)
5月14日(木)、東京都千代田区でマレットジャパンによる国内外の近現代美術オークションが開催された。オンライン限定の「M Live Auction」と、会場で競りを行う「Sale #20260514」の2つのセールが行われ、いずれも好結果となった。
「M Live Auction」では出品作品88点中60点が落札され、落札総額は、12,110,000円(落札手数料含まず、以下同)。安定した入札が入り、堅実な動きが見られた。一方、会場形式の「Sale #20260514」では、出品作品99点中86点が落札され、落札総額は 106,230,000円を記録。両セールの落札総額は118,340,000円、落札率は78.1%を記録し、全体として安定感のあるセールとなった。
「Sale #20260514」では、ブルーチップ作家を中心に、落札予想価格上限を上回るロットが多く、活発な競りが見られた。特にセール終盤に出品されたエドヴァルド・ムンクの作品、LOT.084《ブローチの女(エヴァ・ムドッチ)》(60.0×46.0㎝、リトグラフ)は、落札予想価格500~800万円に対し、1550万円で落札され、今回のセールのトップロットとなった。次いで高額落札となったのは、キース・へリングの作品。セール序盤に版画作品が2点続けて出品された。いずれも落札予想価格500~700万円に対し、720万円・740万円と、上限をわずかながらも上回った。こうした優品への確かな需要が、今回のセールの評価を一段と高めた。 また、価格帯的にみると30~100万円前後の中価格帯の作品が最も多く出品され、堅調な取引が続いた。中でもミロ、シャガール、ピカソの版画作品はほぼ全点が落札し、市場で支持の厚い作家の作品がセール全体を力強く牽引した。
今回は、河原温(かわら・おん、1932-2014)にスポットを当てレポートする。河原は、コンセプチュアル・アートの核心を体現した作家として知られ、物質ではなく、行為・時間・記録そのものを主題とした作品は、国内外で高く評価されている。
河原は1960年代後半から約10年間、毎朝の起床時間と日付、滞在地、受取人をスタンプで記したポストカードを特定の人物へ送り続けた。日々の行為を淡々と記録するだけの行為が、そのまま作品となり、時間の積層や作家の存在の痕跡を可視化する重要なシリーズとして位置づけられている。本セールでは、中盤に「I GOT UP」シリーズから1点の出品があった。LOT.040《「I GTO UP」シリーズ》(8.9×14.0㎝、ポストカード・スタンプ)は、落札予想価格70~100万円に対し、160万円で落札されている。同一作品を過去(2023年1月)にも取り上げたことがあるが、再び注目し、ACFパフォーマンス指標より、その後の動向を追ってみる。
2022年に190万円程度で取引されたのち、 2023〜2024年にかけては落札価格が120万円前後まで下降し、短期的な調整局面が見られた。 しかし2025年には150万円台へ上昇し、2026年には160万円まで回復しており、 近年は緩やかな上昇基調が確認できる。また、予想価格帯(下限・上限)はこの5年間で緩やかに上昇し、 70~100万円前後と比較的安定した水準を維持している。落札価格はいずれの年も予想を上回っており、堅調な需要が継続していることがうかがえる。こうした動向は、本シリーズに対する市場の関心と評価の高さを示すものであり、今後も河原温作品の動向を読み解く上でも、重要な指標となる。引き続き、その推移を注視していきたい。
●次回のマレットオークション開催予定●
M-Live Auction(オンライン)12時開始/ 通常オークション(会場型)15時開始
2026年7月16日(木)
【お問合せ先】 株式会社マレット ジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481 E-mail:info@mallet.co.jp
セール: 第79回 SBIアートオークション LIVE STREAM
日 時: 2026年4月10日(金)12:00~ ・ 11日(土)12:00~
会 場: オンライン
落札総額: 224,491,500円(落札手数料含む)
落札率: 88.6%
作品数: 536点(落札475点、不落札61点)
SBIアートオークションは、4月10日(土)・11日(日)の2日間にわたりオンラインセールを開催した。セールには、現代のアートシーンを彩る作家たちの作品が536点出品され、オンラインながら熱気ある競りが展開された。最終的な総落札額は2億2449万1500円(落札手数料を含む・以下同)、落札率は88.6%に達し、良好な結果を収めた。
10日は、版画などのマルチプルを中心に中価格帯の作品が幅広い層から支持され、オンラインならではの厚い需要が確認された。村上隆、KAWS、空山基、花井祐介などの現代ポップ系の作家に加え、植田正治、森山大道、杉本博司などの写真作品も堅調に推移した。また、高額帯(100〜200万円以上)でも競り上がりが多く、単日の落札総額は5280万8000円、落札率は90.9%と活発な取引が見られた。
一方、11日は小松美羽、永井博、ロッカクアヤコなどのペインティング作品が高額で競り上がり、1点ごとのインパクトが大きい結果となった。単日の落札総額は、1億7168万3500円、落札率は86.3%を記録し、10日とは異なる市場の力強さが示された。
2日目に出品されたLOT.325小松美羽の初期作の《酔いどれ》(エッチング、29.4×23.8㎝、Ed.7)は、今回のセール全体の最高落札額を記録し、2日間を通じて最も大きな競り上がりを見せた。落札価格は、落札予想価格40~70万円に対し、上限の約52倍となる3680万円に達した。エディション数の少なさや初期作の重要性が評価され、複数の入札者が競り合ったとみられる。版画作品でありながら絵画作品に匹敵する価格形成となり、小松美羽の市場人気の高さを改めて感じさせる結果となった。
今回は、ロッカクアヤコ(ろっかく・あやこ、1982~)にスポットを当ててレポートする。ロッカクは、鮮やかな色彩と即興性の高い筆致、そして少女像を中心としたモチーフによって国際的に知られる現代アートの作家である。筆を使わず”素手で描く”という独自の制作方法を特徴とし、その身体性を伴う表現が強い存在感を放っている。大型キャンバスや段ボール、版画など多様なメディアを手がけ、国内外で高い評価を得ている。
本セールでは、2日目に計7点の作品が出品された。大型キャンバスから段ボール作品、版画作品まで幅広い技法が含まれ、いずれの作品も幅広い層からの関心を集めた。すべての作品が予想を上回る価格で落札され、ロッカクが市場で高い評価を維持していることがうかがえる。中でもLOT.328《Untitled》(アクリル・キャンバス、130.5×190.0㎝)は2300万円で落札され、先のLOT.325小松美羽の作品に次ぐ本セール内での高額落札となり、存在感を示した。
LOT.331《無題 2》(各40.0×28.0㎝、Ed.100) は、ロッカク特有の大きな瞳の少女と鮮やか色彩が画面全体に広がる、3枚続で構成された木版画である。本作の動向をACF美術品パフォーマンス指標から読み解く。
落札価格は2023年をピークに調整局面へ入ったものの、毎年150〜200万円前後で推移しており、大きな値動きは見られない。予想価格帯は年により100〜250万円の間で上下している。2024年と2026年に落札価格が上限を上回ったのは、予想価格が低めに設定されたことによるもので、需要の急な高まりを示すものではない。こうした動きを踏まえると、本作の現在の相場はおおむね150〜200万円程度に落ち着いていると言えよう。本セールでも落札予想価格100~150万円に対し201万2500円で落札されており、この価格帯が本作の安定した評価を裏付ける結果となった。今後の出品状況や展示活動を通じて、相場がどのように推移していくのか注視していきたい。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第81回 SBIアートオークション
A Passage from the Important Japanese Collection
2026年5月30日(土) 12:00~ 会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
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〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
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