会場: SBIアートオークション(原宿オークション The Flat)
セール: Harajuku Auction: Pop-life/Pop-ism
日時: 平成30年11月3日(土曜日) 17:00~
落札総額: 367,356,000円 (Premium込み)
落札率: 87.8%
作品数: 落札137点、不落札19点
今回は、前回のレポートでお伝えしたSBIオークションの翌週に、2週にわたり同オークションで開催された後編セールとして、原宿で開催されたオークション「Harajuku Auction: Pop-life/pop-ism」についてレポートする。
SBIオークションは現代アートを取り扱うオークションハウスであるが、今回はグラフィティ・アートからデザイン、ポップ・アートも含めたライフスタイルとしてのアートを特集したオークション開催となっており、大変注目を集めた。会場は、用意された1階フロアーは満席で、会場2階、また外にまで人があふれ盛況な中でのオークション開催となっていた。
今回は国内作家作品36点、海外作家作品120点の合計156点がセールにかけられ、その内訳は絵画作品(写真等含む)121点、立体彫刻作品その他(グッズ等も含む)35点となっている。
出来高は、落札総額が367,356,000円(落札手数料15%含む)、落札率は87.8%であり、前週に開催された同オークション時より3%ほど上回っている。平均落札単価は前週開催時より、67万円アップのおよそ268万1000円となり、良品や注目作品の出品が多かったことをうかがわせる。また出品落札予想価格の上限を超えて落札された作品は全体の66.4%にのぼり、前週開催時の36.0%を大きく上回っている。また、落札価格総額は落札予想価格上値の総額に対し158.2%という好結果を残した。
これらの数字を見てみると、今回、新たな試みとして開催されたSBIオークションの「原宿オークション」は成功に終わったとみてよいだろう。
今回のセールで印象的だったのが、オープニングから前半にかけて、新鋭の作家たちの作品が出品され、予想を超える高値で落札されていたことだ。
オープニングには福岡を拠点に活動するイラストレーターKyneの作品3点出品された。Kyneの作品はオークション市場にはほとんど出品されたことがない。主なモチーフはモノクロの女性の肖像画で、大手企業の広告に使用されたり、アパレルメーカーとのコラボ、CDジャケット等を多く手掛けたりしている。また、都内などの繁華街の電柱や街頭ポール、壁面にステッカーが多数貼られていたりもする。
2017年制作、H116.5×W91.0、キャンバスにアクリルの作品「Untitled」は落札予想価格40~60万円に対し506万円で落札。2013年制作、H23.5×W23.5cm、木製ボードにアクリルの作品「Work」は落札予想価格10~15万円のところ126万5千円で落札。2017年制作、H40.6×W30.3cmの、Kyneと山口 歴のコラボ作品「”STAY GOLD”LIMITED100」については落札予想価格5~15万円のところ120万7500円で落札された。どの作品も会場からのビットが多く入り、かなり白熱した様相であった。どの作品も、予想をはるかに超える高値での落札となったが、今後オークション市場にも出品されると予想される中で今後の値動きに注目したい。
スケートボードデッキの廃材を使いオブジェ制作を行っている彫刻家のHaroshi。近年ではニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンでも個展を開くなど注目を浴びている。そのHaroshiの作品が3点出品された。2010年制作のD10.3×H8.0×W8.0の作品「Apple」が落札予想価格50~80万円のところ253万円で落札。2009年制作のD30.5×H20.1×W16.0cm、HaroshiとT9Gのコラボ作品「CAT」は80~150万円の落札予想価格に対し287万5千円で落札。2010年制作、D24.5×H13.5×W13.0cmの作品「SCREMING LEFT HAND」は落札予想価格80~150万円のところ391万円で落札された。今までオークション市場に出品がほとんど無い彼の作品だが、Kyne同様に会場からの多くのビットが入り盛り上がりを見せていた。この作家の作品も今後のオークション市場での動向が大変気になるところだ。
過去の当オークションレポートでも紹介した五木田智央の作品も5点出品され注目を浴びていた。2008年制作のともにH60.5×W45.7cmのピグメントプリントの版画作品「Uncovering method」「Weight sensation」の2点組は落札予想価格60~90万円に対し322万円で落札。2016年制作の、ともにH55.5×W46.0cmのステンシルパルプペインティング、ポショワールの版画作品「The Madmen#1」「Dance Party」の2点組は、落札予想価格100~180万円のところ391万円で落札。2007年制作、H41.2×W32.0cmの紙にアクリル、グアッシュの作品「I’m pooped」は落札予想価格80~120万円に対し201万2500円で落札。2007年制作のH41.2×W32.0cm,紙にアクリル、グアッシュの作品「Double Negative」は、落札予想価格80~120万円のところ207万円で落札。2009年制作の194.0×162.0cm、キャンバスにアクリルの大型作品「Stable Mates」は落札予想価格600~900万円のところ1552万5千円で落札。出品されたすべての作品が落札予想価格上限を大きく超える落札価格となっていて、評価が上がっていることを裏付ける結果となっていた。
今回のセールに出品された作品の中からピックアップしたいのがイギリスの作家、Banksyだ。ストリートアートをゲリラ的に描くという手法からか、プロフィールを明かさない、謎の多い作家である。作風は政治的なメッセージ色が強く、多くの作品が街中の壁面に描かれている。また、有名美術館に勝手に作品を展示するなどもしており「芸術テロリスト」とも呼ばれている。
そんなBanksyの作品が、今回のセールでシルクスクリーン版画6点が出品された。
2003年制作、H35.0×W100.0cm(シートサイズ)「Weston Super mare」は落札予想価格80~120万円のところ111万5500円で落札。2004年制作、H69.5×W49.5cm(シートサイズ)の「Toxic Mary」は落札予想価格70~120万円のところ161万円で落札。2005年制作のH50.0×W35.0cmの「Soup Can」は落札予想価格80~120万円のところ264万5千円で落札。2005年制作、H45×W64.7cmの「Jack and jill(Police kids)は落札予想価格150~250万円のところ345万円で落札。2003年制作、H67.3×W46.9cmの「Happy Chopper」は、落札予想価格250~350万円に対し747万5000円で落札。2006年制作、H48.0×W68.0cmの「Grannies」は落札予想価格60~90万円に対し212万7500円で落札された。出品6点中5点が落札予想価格上値を大きく超えての落札であり、うち3点が落札予想価格上値の2倍以上での落札となった。
2006年制作の「Grannies」を例に指標(ACF 美術品パフォーマンス指標)を見てみる。この「Grannies」にはエディション500部制作と150部制作の2種類があるが、今回出品されていたのは500部制作の作品である。
この作品の過去5年間の値動きを見てみると、2014年から2016年については、およそ50万円前後の落札価格で横ばいに推移しているが、2017年以降は上昇傾向となり、そのトレンドが2018年も継続したことになる。落札価格中央値(ACF 美術品時価指数)でみると、この2年間で約2倍に上昇しているのが見て取れる。Banksyは2017年に世界一眺めの悪いホテルをパレスチナ側分断壁の前でオープンし注目され、2018そうした話題性も、少なからず最近2年間の落札価格、相場動向に影響したとみてもいいだろう。注目を浴びることで評価が上がった例だが、話題性からの相場上昇トレンドがどこまで続いていくか、今後も注視していきたい。
次回SBIアートオークションは
2019年2月2日 土曜日 13:00~
代官山ヒルサイドフォーラム
※開催日時、出品作品は事前の告知なしで変更になる可能性があります。
【お問い合わせ先】
SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 江東区有明3-6-11 TFTビル東館7階
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 Email:artauction@sbigroup.co.jp
担当:加賀美、塚田
会場: SBIアートオークション(代官山ヒルサイドフォーラム)
セール: Modern and Contemporary Art, No. 29
日時: 平成30年10月27日(土曜日) 13:00~
落札総額: 762,214,250円(落札手数料含む)
落札率: 84.8%
作品数: 落札379点、不落札68点
今回は10月27日(土)に代官山ヒルサイドフォーラムで開催されたSBIアートオークションについてレポートする。SBIアートオークションは国内外作家の現代アートを取り扱うオークションである。当日、会場に用意されたおよそ80席はほぼ満席で、後方に立ち見客が多くみられ、現代アートへの注目の高さがうかがわれた
今回は国内作家作品324点、海外作家作品123点の合計447点がセールにかけられ、その内訳は絵画作品(写真等含む)366点、その他立体彫刻作品(グッズ等も含む)81点となっている。
出来高は、落札総額が762,214,250円(落札手数料15%含む)、落札率は84.8%であり、前回7月に開催された同オークション時の倍以上、4億3千万円近く増額しての落札総額となっている。今回、落札予想価格の上限を超えて落札された作品は全体の36.0%にのぼり、落札価格総額は落札予想価格上値の総額に対し91.2%という結果を残した。また、平均落札価格が170万5千円となり、前回7月開催時の92万4千円と比べてみても良品が多く出品されていたことが伺え、競り状況としても活況であった。
今回のセールで印象的だったのが、オープニングから59点もの草間彌生の作品が出品されたことだ(合計では60点出品)。通常のセールであれば、10点前後の出品数であるが、50点を超えるボリュームで出品されることは珍しい。60点の内訳はキャンバスにアクリルペインティングの作品が3点、紙にエナメル・インクの作品が1点、版画作品47点、立体オブジェ9点であった。
落札率は100%で、その内、落札予想価格上限を超えて落札された作品が12点であった。最近1年の国内での草間作品出品時の競りの様子では、書面、電話、会場からビットが多く入り、落札予想価格上限を大きく超えて落札されることが多かったが、今回のセールにおいては、とりわけ海外からの電話ビットが少ないように見受けられた。草間作品の主だった落札結果を見てみると、H70×W59cmのシルクスクリーン・ラメの作品「レモンスカッシュ(2)」が落札予想価格上350万円に対し529万円で落札。H53.3×W60.8cmのシルクスクリーン・ラメの作品「魚(Kusama103)」は落札予想価格上限350万円に対し480万円で落札。H45.5×W38.3cmのシルクスクリーン・ラメの作品「かぼちゃ(BT)」は落札予想価格上限300万円のところ368万円で落札。H50×W65cmのシルクスクリーン・ラメの作品「かぼちゃ(Ⅰ)」は380万円の落札予想価格上限に対し448万5千円で落札。上記のように版画作品のなかでも「ラメ」を使用した作品に人気が集中していた。
キャンバスにアクリルペインティングされた作品では、1996年制作のH14×W18cmの「かぼちゃ」が1500~2500万円の落札予想価格に対し2,185万円で落札。1988年制作のH45.5×W53cmの「花園の滅びる前」が1500~2500万円の落札予想価格に対し2300万円で落札。2004年制作のH116.7×W91cmの大型作品「Infinity Nets」は5000~8000万円の落札予想価格に対し6095万円で落札されていた。
最近頭角を現しており、こちらのレポートでも再三紹介しているロッカクアヤコの作品も8点と、過去と比較して多くの出品があった。書面・会場・電話・オンラインビットと多くのビットが集中し8点とも全てが落札用価格上限を大きく超えての落札となった。キャンバスにアクリルペインティングの作品3点が出品され、どれも400~700万円の落札予想価格に設定されていたが、400万円からの競り開始直後に3品とも700万円の声が会場から飛び出し、954万5千円、1000万5千円、1207万5千円で落札されていた。1年前には同様のキャンバス作品であれば300万円前後の相場だったが、ここ1年間でおよそ3~4倍の相場価額になった。この過熱している人気がどこまで続くのか今後も注目していきたい。
珍しいところでは、村上隆のキャンバスにアクリルペイントの大型作品も出品されていた。村上隆の作品は、今までも版画作品は多く出品されていたが、150cmを超える大型の作品が出品されるのは非常に珍しい。2013年制作、H199×W153cmの「めくるめくサーカス 心のなかに、平和と闇を抱えて」は、8000~1億2000万円の落札予想価格に対し1億4375万円で落札された。会場2名、電話3名による競り合いの結果であった。
若手海外作家の中で最近注目を浴びているのがKAWSだ。ユニクロのコラボしているティーシャツ(UT)で目にしている人も多いのではないだろうか。
KAWSは1974年生まれのアメリカ人アーティストで作品の特徴はキャラクターの目のバッテンマーク。セサミストリートやスポンジボブなど馴染みのあるアニメキャラクターなどをモチーフにした作品が多い。2018年11月にニューヨークで行われたフィリップスのオークションでは油絵が落札予想価格70万ドル~90万ドルに対し350万ドル(手数料込み)で落札されており、世界的に人気がある。
今回のセールではKAWSの作品は他のアーティストとのコラボ作品を含めて23点出品されており、内容は版画作品4点、人形18点、デザインチェア1点がセールにかけられた。
シルクスクリーン版画作品「Companion Vs Pikachu」は落札予想価格40万円~70万円のところ132万2,500円で落札。
同じくシルクスクリーン版画でKAWSの人気キャラクターであるCompanionが描かれた作品「Untitled」は20万円~30万円の落札予想価格に対し69万円で落札。2点出品された「Work (from Ups and Downs)」シリーズの作品は落札予想価格50万円~80万円のところ、それぞれ161万円、184万円で落札された。18点出品されたマルチプル作品の人形の中で高額だったものは限定ものである「CHUM」の黒、黄色、ピンクの3点組と空山基氏とのコラボ作品である「NO FUTURE COMPANION (Black Chrome)」。
「CHUM」は落札予想価格18万円~28万円のところ132万2500円で落札。「NO FUTURE COMPANION (Black Chrome)」は落札予想価格80万から140万のところ178万2500円で落札された。
人形にはエディション番号が入った限定部数作品と無限定部数のマルチプル作品がある。限定ものではない人形でもっとも競ったのは「Companion Pushead Version 」の緑、銅、銀の3点組。落札予想価格12万から18万に対し、115万円で落札された。その他の無限定部数のマルチプル人形作品もほとんど落札予想価格以上の価格で落札された。
KAWSの版画作品(縦横100㎝以下)の最近の5年間の指標(ACF美術品時価指数)をみてみると、2014年以降、相場が急上昇しているのがわかる。現在ニューヨークの『Skarstedt Gallery(スカーステッド・ギャラリー)』でも個展が開催されており、ニューヨークのアートシーンでも注目が集まるKAWS。
今後、価格の上昇がいつまでつづくのか注目していきたい。
次回SBIアートオークションは
2019年2月2日 土曜日 13:00
~代官山ヒルサイドフォーラム
※開催日時、出品作品は事前の告知なしで変更になる可能性があります。
【お問い合わせ先】
SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 江東区有明3-6-11 TFTビル東館7階
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 Email:artauction@sbigroup.co.jp
担当:加賀美、塚田
会場: Shinwa Auction
セール: 近代美術/近代美術PartⅡ
日時: 平成30年9月29日(土曜日) 15:00~
落札総額: 270,710,000円(落札手数料含まず)
落札率: 89.33%
作品数: 落札335点、不落札40点
今回は9月29日(土)に開催されたShinwa Auction(シンワオークション)についてレポートする。Shinwa Auctionの特徴としては国内外のすべてのジャンルの作品が出品されているが、特に日本画、洋画については力を入れており、良質な作品が多数出品されている。
今回は国内作家の日本画、日本洋画、版画作品等を中心に375点がセールにかけられた。
出来高は落札総額2億7071万円(落札手数料含まず)、落札率は89.33%であり、前回、今年5月に同会場にて行われたセールと比較すると点数は11点増、落札率が約4.5%増となっている。また、落札予想価格上限を超えての落札が24.5%となっており、全体を通して活況なセール状況であった。
今回のセールの中から目立ったものを紹介していく。
今回の近代美術のセール(メインセール)では彫刻作品が7点出品されており、1点を除き全て落札。また競り状況も活況で5点が落札用価格上限を超えての落札になっていた。
フランス人彫刻家クロード・ラランヌの2006年のブロンズ作品「襟をつけた小さなウサギ」(H35×W14.6cm)が、落札予想価格200万円~300万円のところ、落札予想価格上限のおよそ5倍の1,450万円で落札。今回の作品と同一の別のエディションによる作品が2015年11月24日に行われたSotheby’s Parisのセールで25,000~35,000ユーロ(およそ325万円~455万円)の落札予想価格に対し、62,500ユーロ(およそ812万円)で落札されており、そのため、今回のセールでの落札予想価格が割安に感じられたためか、海外からの電話入札が多く入り300万円を超えたあたりから一騎打ちでの競り合いとなり、予想を大幅に上回る落札価格につながったものと考えられる。
その他、イタリア人彫刻家ジャコモ・マンズーの1984年制作のブロンズ作品「枢機卿」(H96×W37cm)は落札予想価格200万円~300万円のところ680万円で落札。書面入札、電話、会場からも多くのビットが入り高値での落札となった。
日本を代表する彫刻家の一人である平櫛田中の作品が3点出品。平櫛田中といえば、木彫りに彩色を施した七福神像などがポピュラーであるが、今回のセールでは過去にほとんど出品されていない木彫りの仏像2点が出品され、いずれも予想をはるかに超えての高値で落札された。1972年制作の木彫の仏像「南無阿弥陀如来尊像」(H32×W14.6cm)は落札予想価格60万円~90万円のところ、320万円で落札。また同じ1972年制作の木彫の仏像「南無観世音菩薩尊像」(H38.4×W12.4cm)は80万円~120万円の落札予想価格に対し500万円で落札。200万円を超えたあたりから少人数による競り合いでの結果となった。
日本画、洋画の、高値で落札された作品をみてみると、上位5作品は横山大観、レオナール・フジタ、東山魁夷、中島千波、棟方志功の作品であった。
横山大観の作品はH67.5×W80.7cmの絹本に彩色で描かれた額装作品「春之富士」で、落札予想価格2000万円~3000万円のところ3600万円で落札。東山魁夷の作品はH42.8×W57.7cmの1949年制作の絹本に彩色で描かれた額装作品「朝涼」で、1500万円~2500万円の落札予想価格に対し1500万円で落札。中島千波の作品は2001年に制作されたH170×W340cmの四曲一隻の屏風に彩色で描かれた大型作品「醍醐の櫻」で落札予想価格700万円~1500万円のところ1250万円で落札。棟方志功の作品はH82.5×W55.5cmの紙に肉筆で描かれた額装作品「御慈妙図」で落札予想価格1000万円~1500万円のところ1000万円で落札された。
これらの作家作品は、日本のアートマーケットの日本画というジャンルにおいては常にプライスリーダー的な存在にある。バブル時代には横山大観、東山魁夷などは1億円を超える相場を形成していたが、バブル崩壊後には大幅に下落した。その後、良品を中心に、少しずつではあるが相場を持ち直し現在に至る。そういった流れの中でも、日本画の巨匠と言われる彼らの作品は人気が高い。横山大観は今年4月~7月まで東京と京都で生誕150年の展覧会が開催され、東山魁夷は8月~12月にかけて京都・東京で生誕110年の展覧会が開催中で注目を浴びている。こうしたことも市場での活況の大きな要因になったかもしれない。
今年、没後50年を迎えた、フランスに帰化した画家、レオナール・フジタの作品については細かく見ていきたい。現在7月~12月にかけて東京・京都で大規模な回顧展を開催しており、注目されている。今回のセールではフジタの作品は5点出品されており、内容は版画作品1点、水彩画が3点、油彩画が1点セールにかけられた。
22点組のリトグラフ版画作品「四十雀」は落札予想価格40万円~60万円のところ125万円で落札。紙に墨、水彩で描かれたH57.3×W44.8cmの軸装作品「芥子花」は10万円~20万円の落札予想価格に対し115万円で落札。紙に墨、水彩で描かれたH34.0×W68.5cmの額装作品「海の幸」は落札予想価格20万円~40万円のところ110万円で落札。紙に墨で描かれたH54.0×W69.3cmの額装作品、人気の猫がモチーフの「親子猫」は落札予想価格250万円~350万円のところ360万円で落札された。油彩の作品では、1935年制作のH24.5×W33.2cmの「猫」が落札予想価格2000万円~3000万円のところ2000万円で落札となった。油彩の作品以外は落札予想価格上限を超えての落札となっており、手に入れやすい価格帯の作品に人気が集中した。フジタの油彩作品は1000万円を超える作品が多く、中には数千万円の値を付けるものもある。しかしながらドローイング作品については油彩作品に比べ比較的手にしやすい価格帯の作品もある。
フジタの作品の主要モチーフには「少女」「裸婦」「猫」などが知られている。今回のオークションで出品された水彩画の「猫」のモチーフ作品の、最近の5年間の指標をみてみると、2014年以降、相場が上昇しているのが見て取れる。「猫」の水彩画の出品数がそれほど多くないために、オークションでは競り上がるという背景もあるが、時価指数の中央値が右肩上がりになっていることは見逃せない。同じモチーフ・技法で、ここ4年間で時価指数の中央値が2倍近くまで上昇しているのだ。(但し、2014年は小品の出品のみ、2018年は大型の作品が多い)。また、パフォーマンス指標をみると、落札予想価格上限平均を大幅に超える落札価格平均となっている。落札予想価格=予想される相場価格とみれば、市場の予想を超えて高値で落札されているということになる。このように予想を超える高値での落札が続いている相場状況は、没後50年を経ても人気が衰えない作家の良い例ではないだろうか。
会場: SBIアートオークション(代官山ヒルサイドフォーラム)
セール: Modern and Contemporary Art, No. 28
日時: 平成30年7月14日(土曜日) 13:00~
落札総額: 332,723,750円 (Premium込み)
落札率: 84.5%
作品数: 落札360点、不落札66点
今回は7月14日(土)に代官山ヒルサイドフォーラムで開催されたSBIアートオークションについてレポートする。SBIアートオークションは国内外作家の現代アートを取り扱うオークションである。当日、会場に用意されたおよそ80席はほぼ満席で、後方に立ち見客が多くみられ、現代アートへの注目の高さがうかがわれた
今回は国内作家作品291点、海外作家作品135点の合計481点がセールにかけられ、その内訳は絵画作品(写真等含む)341点、その他立体彫刻作品(グッズ等も含む)85点となっている。
出来高は、落札総額が3億3272万3千円(落札手数料15%含む)、落札率は84.5%であった。また今回、落札予想価格の上限を超えて落札された作品は全体の45.4%にのぼり、落札価格総額は落札予想価格上値の総額に対し95.5%という結果を残した。平均落札価格が92万4千円との結果からみても手にしやすい価格帯での良品が多く出品されていたことが伺え、競り状況としても活況であった。
今回のセールで印象的だったのが、評価が上がってきている若手作家がみられたことだ。ロッカクアヤコを筆頭に五木田智央、タカノ綾、名和晃平、桑久保徹など30~40歳代の作家で脚光を浴び始めている作家たちの作品が落札予想価格上限を超えて高値で落札されていた。日本の現代アート市場では1950年代以降の「具体」や「もの派」、1980年代以降の宮島達男や柳幸典、2000年以降の草間彌生、村上隆、奈良美智などの作家銘柄が長く市場の中核を形成してきた中で若手作家が台頭することは困難であったが、昨今のセールをみると近い将来、彼ら若手作家が市場をけん引していく日が来ることを期待せずにはいられない。
では、今回のセールで主だったものを紹介していく。
最初に注目したのが、先月フランス・パリのルーブル美術館にあるガラスピラミッドで立体彫刻作品の新作お披露目を行った名和晃平だ。今回のセールでは2009年制作のミッキーマウス、ミニーマウスをモチーフにした立体作品「PixCell [Toy-Mickey Mouse(from Mickey’s Rival)]」と「PixCell [Toy-Minnie Mouse(Comic Ver.)]」が出品され、それぞれ60~90万円の落札予想価格に対し大幅に超える155万2千円、149万5千円で落札された。また、名和晃平の主要な使用メディアでもあるガラスビーズの2003年制作の立体作品「PixCell-Toy-Stealth」は落札予想価格200~300万円のところ345万円で落札された。落札予想価格を大幅に超える価格での落札がみられたが、今後もこの流れが続いていくのか注目される。
主に少女をモチーフにエロティックな中に不思議さとグロテスクな一面も見せる作風のタカノ綾は2点が出品された。2002年に制作された15.5×21.0cmの紙に水彩とボールペンで描かれた作品「めぐが標識の上であそぶ」が落札予想価格10~15万円のところ50万6千円で落札。もう1点2003年に制作された25.3×31.0cmの紙に水彩の作品「架空の映画のための衣装しょう②」が落札予想価格20~30万円のところ88万5千円で落札。ともに落札予想価格高値のおよそ3倍の値を付けた。
若手作家の中で、価格上昇率で目を見張るのがロッカクアヤコ。段ボールやキャンバスに筆を使わず手指でペインティングする独特の手法で、作風はカラフルで可愛しさがある中に、大きくシンボリックな独特な目つきの少女をモチーフにした作品を多く描いている。そんな彼女の作品が注目され、市場でも評価されてきている。
今回のセールでは段ボールに描かれた作品1点とキャンバス作品2点が出品された。
2007年制作の87.0×77.0cmの段ボールにアクリルでペイントされた作品が落札予想価格80~140万円のところ224万2千円で落札。また2009年制作のキャンバスにアクリルでペイントされた130.0×90.0cmの作品「無題」が落札予想価格300~500万円のところ1069万5千円で落札。会場、電話、書面入札と多くのビットが入り大いに盛り上がった。同じくもう1点、2007年制作のキャンバスにアクリルでペイントされた53.0×65.2cmの作品「無題」も落札予想価格200~300万円のところ632万5千円で落札された。今回のセールで初めてオークション市場で1000万円を超えて落札されたロッカクアヤコの作品だが、今回出品されたような1辺が1mを超える大型の作品の落札価格を中央値で見ると、2013年の時点ではまだ100万円を切る価格帯であったが、その3年後の2016年にはおよそ倍の199万円まで上昇、更に2年間かけ2018年においては3.5倍以上の740万円まで価格が上昇している。(指標グラフ参照)。この5年で7倍以上の価格上昇となったのである。30歳代の若手作家の中では群を抜いて注目されてきている証だろう。現在ドイツ・ベルリンを拠点に、先月までオランダで個展を開催していたロッカクアヤコ。日本、ヨーロッパを活動の中心に置いていた彼女だが、最近ではアジアマーケットでも注目されつつあり相場上昇の一因になっているとみられる。今後の市場動向に大いに注目していきたい。
ロッカクアヤコ同様に注目を浴びているのが五木田智央だ。五木田はイラストレーター出身のアーティストで、雑誌などのイラストを制作していたが近年では絵画を中心に美術館やギャラリーでの個展等で作品発表を行うようになった。今年は1月に香港、4月に東京で個展を開催、9月にはロサンゼルスでも個展を開催しており国内外での評価が高まっている。作風は90年代にはドローイング作品が注目されていたが、近年ではモノクロームのグラデーションで描かれた人物をモチーフにした作品と抽象的な表現をモチーフにした作品を多く描いている。
今回のセールでは、版画1点を含む3点の作品が出品された。
共に2008年制作の60.5×45.7cmの2点組の抽象画の版画作品「Uncovering method」「Weight sensation」は落札予想価格50~80万円に対し、97万7千円で落札。2011年制作のキャンバスにアクリルグアッシュでペイントされた中型のモノクロームの抽象画、53.0×72.7cmの作品「A Bud」は250~350万円の落札予想価格に対し、460万円で落札。そして2009年制作のキャンバスにアクリルでペイントされたブルーを基調にした抽象画、194.0×194.0cmの大型作品「Paraiso」は、落札予想価格600~1000万円に対し、1207万5千円で落札し、すべての作品が落札予想価格上値を大きく上回り落札される結果となった。
五木田の作品は市場での出品数は多いとは言えないが、今回出品されたような抽象的モチーフの作品で1辺が100cmを超える大型作品の直近3年間の値動きを見てみると(指標グラフ参照)、大きく相場が動いていることが見てとれる。2016年では1点の出品であり115万円での落札だったが、2017年においては平均落札価格が816万円に急上昇、2018年では落札平均価格が1000万円を超えてきている。
五木田の作品は先述の通り人物モチーフと抽象的な表現をモチーフにしたものに大別できるが、人物モチーフの作品の方がよりメジャーであり相場も抽象的なものより先行し高値で推移しており、それに追従する形で抽象的なモチーフの作品の相場が上がってきた。また今回のセールでは版画作品も出品されているが、現在はまだ手にしやすい版画作品の価格帯も、今後はオリジナル作品に追従する形で相場が上昇していくのか注目される。
その他、今回のセールでは安定した高値で不動の人気を誇る草間彌生の作品も14点(グッズを除く)出品された。その14点の内、落札予想価格上値を超えての落札が9点となり、相変わらずの人気をうかがわせた。落札予想価格上値の平均が296万4千円に対し落札価格平均が322万5千円という結果からみて上昇相場が続いていることがみてとれる。目立ったところでは版画作品で1982年に制作された65.5×51.0cmのリトグラフにコラージュの作品「かぼちゃ(Kusama4)」が落札予想価格350~550万円のところ610万円で落札。数多くある草間彌生の版画作品の中で、南瓜をモチーフにした最初の作品とあってか人気が集中し高値で落札された。
また今回、過去のセールの状況と変化がみられたのがカウズだ。目が「×」印のキャラクターの立体作品を多く手掛け、ユニクロTシャツブランド「UT」とコラボもしており日本でもなじみの深い作家である。2~3年ほど前までは落札予想価格を大きく超えての落札は、さほど見られなかったが今回のセールでは27点と多数作品が出品(内21点がマルチプル作品)され、そのうち23点が落札予想価格上限を超えての落札となり、落札予想価格上値の2倍を超えて落札された作品も5点あった。落札予想価格上値の平均が96万6千円に対し落札価格の平均が123万4千円であることからも人気の高さを裏付けるものになった。大手企業とコラボすることで認知度が上がりファンを形成することでこのような高値を付けたとみられるが、今後もこの流れが続いていくのか注視していきたい。
次回SBIアートオークションは2018年10月27日 土曜日 13:00~代官山ヒルサイドフォーラムで、続けて11月3日(土)には原宿で開催予定。どちらのオークションにも五木田智央の作品が出品される予定。
※開催日時、出品作品は事前の告知なしで変更になる可能性があります。
【お問い合わせ先】
SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 江東区有明3-6-11 TFTビル東館7階
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 Email:artauction@sbigroup.co.jp
担当:加賀美、塚田
会場: SBIアートオークション(代官山ヒルサイドフォーラム)
セール: Modern and Contemporary Art, No. 28
日時: 平成30年7月14日(土曜日) 13:00~
落札総額: 332,723,750円 (Premium込み)
落札率: 84.5%
作品数: 落札360点、不落札66点
今回は7月14日(土)に代官山ヒルサイドフォーラムで開催されたSBIアートオークションについてレポートする。SBIアートオークションは国内外作家の現代アートを取り扱うオークションである。当日、会場に用意されたおよそ80席はほぼ満席で、後方に立ち見客が多くみられ、現代アートへの注目の高さがうかがわれた
今回は国内作家作品291点、海外作家作品135点の合計481点がセールにかけられ、その内訳は絵画作品(写真等含む)341点、その他立体彫刻作品(グッズ等も含む)85点となっている。
出来高は、落札総額が3億3272万3千円(落札手数料15%含む)、落札率は84.5%であった。また今回、落札予想価格の上限を超えて落札された作品は全体の45.4%にのぼり、落札価格総額は落札予想価格上値の総額に対し95.5%という結果を残した。平均落札価格が92万4千円との結果からみても手にしやすい価格帯での良品が多く出品されていたことが伺え、競り状況としても活況であった。
今回のセールで印象的だったのが、評価が上がってきている若手作家がみられたことだ。ロッカクアヤコを筆頭に五木田智央、タカノ綾、名和晃平、桑久保徹など30~40歳代の作家で脚光を浴び始めている作家たちの作品が落札予想価格上限を超えて高値で落札されていた。日本の現代アート市場では1950年代以降の「具体」や「もの派」、1980年代以降の宮島達男や柳幸典、2000年以降の草間彌生、村上隆、奈良美智などの作家銘柄が長く市場の中核を形成してきた中で若手作家が台頭することは困難であったが、昨今のセールをみると近い将来、彼ら若手作家が市場をけん引していく日が来ることを期待せずにはいられない。
では、今回のセールで主だったものを紹介していく。
最初に注目したのが、先月フランス・パリのルーブル美術館にあるガラスピラミッドで立体彫刻作品の新作お披露目を行った名和晃平だ。今回のセールでは2009年制作のミッキーマウス、ミニーマウスをモチーフにした立体作品「PixCell [Toy-Mickey Mouse(from Mickey’s Rival)]」と「PixCell [Toy-Minnie Mouse(Comic Ver.)]」が出品され、それぞれ60~90万円の落札予想価格に対し大幅に超える155万2千円、149万5千円で落札された。また、名和晃平の主要な使用メディアでもあるガラスビーズの2003年制作の立体作品「PixCell-Toy-Stealth」は落札予想価格200~300万円のところ345万円で落札された。落札予想価格を大幅に超える価格での落札がみられたが、今後もこの流れが続いていくのか注目される。
主に少女をモチーフにエロティックな中に不思議さとグロテスクな一面も見せる作風のタカノ綾は2点が出品された。2002年に制作された15.5×21.0cmの紙に水彩とボールペンで描かれた作品「めぐが標識の上であそぶ」が落札予想価格10~15万円のところ50万6千円で落札。もう1点2003年に制作された25.3×31.0cmの紙に水彩の作品「架空の映画のための衣装しょう②」が落札予想価格20~30万円のところ88万5千円で落札。ともに落札予想価格高値のおよそ3倍の値を付けた。
若手作家の中で、価格上昇率で目を見張るのがロッカクアヤコ。段ボールやキャンバスに筆を使わず手指でペインティングする独特の手法で、作風はカラフルで可愛しさがある中に、大きくシンボリックな独特な目つきの少女をモチーフにした作品を多く描いている。そんな彼女の作品が注目され、市場でも評価されてきている。
今回のセールでは段ボールに描かれた作品1点とキャンバス作品2点が出品された。
2007年制作の87.0×77.0cmの段ボールにアクリルでペイントされた作品が落札予想価格80~140万円のところ224万2千円で落札。また2009年制作のキャンバスにアクリルでペイントされた130.0×90.0cmの作品「無題」が落札予想価格300~500万円のところ1069万5千円で落札。会場、電話、書面入札と多くのビットが入り大いに盛り上がった。同じくもう1点、2007年制作のキャンバスにアクリルでペイントされた53.0×65.2cmの作品「無題」も落札予想価格200~300万円のところ632万5千円で落札された。今回のセールで初めてオークション市場で1000万円を超えて落札されたロッカクアヤコの作品だが、今回出品されたような1辺が1mを超える大型の作品の落札価格を中央値で見ると、2013年の時点ではまだ100万円を切る価格帯であったが、その3年後の2016年にはおよそ倍の199万円まで上昇、更に2年間かけ2018年においては3.5倍以上の740万円まで価格が上昇している。(指標グラフ参照)。この5年で7倍以上の価格上昇となったのである。30歳代の若手作家の中では群を抜いて注目されてきている証だろう。現在ドイツ・ベルリンを拠点に、先月までオランダで個展を開催していたロッカクアヤコ。日本、ヨーロッパを活動の中心に置いていた彼女だが、最近ではアジアマーケットでも注目されつつあり相場上昇の一因になっているとみられる。今後の市場動向に大いに注目していきたい。
その他、今回のセールでは安定した高値で不動の人気を誇る草間彌生の作品も14点(グッズを除く)出品された。その14点の内、落札予想価格上値を超えての落札が9点となり、相変わらずの人気をうかがわせた。落札予想価格上値の平均が296万4千円に対し落札価格平均が322万5千円という結果からみて上昇相場が続いていることがみてとれる。目立ったところでは版画作品で1982年に制作された65.5×51.0cmのリトグラフにコラージュの作品「かぼちゃ(Kusama4)」が落札予想価格350~550万円のところ610万円で落札。数多くある草間彌生の版画作品の中で、南瓜をモチーフにした最初の作品とあってか人気が集中し高値で落札された。
また今回、過去のセールの状況と変化がみられたのがカウズだ。目が「×」印のキャラクターの立体作品を多く手掛け、ユニクロTシャツブランド「UT」とコラボもしており日本でもなじみの深い作家である。2~3年ほど前までは落札予想価格を大きく超えての落札は、さほど見られなかったが今回のセールでは27点と多数作品が出品(内21点がマルチプル作品)され、そのうち23点が落札予想価格上限を超えての落札となり、落札予想価格上値の2倍を超えて落札された作品も5点あった。落札予想価格上値の平均が96万6千円に対し落札価格の平均が123万4千円であることからも人気の高さを裏付けるものになった。大手企業とコラボすることで認知度が上がりファンを形成することでこのような高値を付けたとみられるが、今後もこの流れが続いていくのか注視していきたい。
次回SBIアートオークションは2018年10月27日 土曜日 13:00~代官山ヒルサイドフォーラムでの開催を予定しています。
※開催日時は事前の告知なしで変更になる可能性がございます。
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担当:加賀美、塚田