美術を社会・文化の発展に結びつけます

MENU

オークションレポート

2019.07.31
【7/19】マレットジャパン(マレットジャパン オークションハウス)

会場:  マレットジャパン(マレットジャパン オークションハウス)

セール:  SALE 2019.7.19

日時:  2019年7月19日(金曜日)15:00~

 

落札総額:  134,235,000円(手数料含まず)

落札率:    76%

作品数:    落札175点、不落札55点

 

6月のレポートに引き続き、マレットジャパン(東京都江東区東陽町)で7月19日に開催されたアートオークションについてレポートする。

 

今回は国内作家作品 124点、海外作家作品106点、合計230点がセールにかけられ、その内訳は 絵画作品(油彩・水彩)93点、版画作品(写真含)120点、立体・彫刻・その他17点となっている。

出来高は、落札総額1億3,423万5千円(落札手数料含まず)、 落札率76%だった。

カタログの表紙を飾ったパブロ・ピカソの1946年制作のリトグラフ作品「フランソワーズ」が、予想価格600~800万円のところ1,400万円で落札され、今回のオークションでは最高額での落札となった。ピカソの版画やセラミックなどの作品が、14点続けてセールにかけられた。オークション前半での展開であったが、点数の多さに踏まえ、先の高額落札もあり、印象に残る競りとなった。
出品点数の多さでみると、藤田嗣治11点、ジョアン・ミロ9点、村上隆8点、アンディ・ウォーホル、シャガールがそれぞれ7点で後に続いている。アンディ・ウォーホルは、7点出品の内、その全てが落札され、予想価格下値を下回る落札もなく、手堅い人気銘柄となっている。
今回は、「無題」と「くもがたおれんじさんかくいつつ」のオリジナル作品2点の出品があった元永定正(1922-2011)にスポットを当てる。
戦後日本の抽象絵画の代表作家として知られ、具体美術家協会にも入会した経歴のある元永は、絵本作家としての顔も持ち、版画やオリジナル等、数多くの作品を残している。国内外でも評価は高く、日本芸術大賞・フランスの芸術文芸シュヴァリエ賞・紫綬褒章など華やかな受賞歴もある。元永が創り出すユニークなかたち、明るい色彩からなる独自の表現は、見るもの惹きつける不思議な魅力を持っている。

1973年に制作されたキャンバス・アクリル/10号サイズの作品「無題」は、落札予想価格120~170万円に対し、上値の1.26倍の215万円で落札された。「くもがたおれんじさんかくいつつ」も、落札予想価格30~40万円に対し、上限を上回る44万円で落札された。
2014年以降の国内オークションに出品された類似作品(10号サイズ・オリジナル)を抽出分析したACF美術品時価指数・パフォーマンス指標から、過去6年間の市場動向をみると2015年に急激な価格の上昇があり、その後の落札価格中央値は、230万円前後のほぼ横ばいの落札価格で推移していることがうかがえる。落札予想上限平均に対しては、上下動を見せる落札価格平均ではあるが、落札予想下限平均を下回ることはなく好調を維持している。今回の2作品も落札予想上値1.1~1.26倍で落札されており、低下傾向はないようだ。今後も、動向を注視していきたい。
 

次回のマレットオークションは2019年9月下旬
マレットジャパンオークションハウスでの開催を予定しております。
※開催日時は事前の告知なしに変更になる場合がございます。

 

【お問い合わせ先】
株式会社マレットジャパン
〒135-0016東京都江東区東陽3-22-6 東陽町AXISビル1F
TEL:03-5635-1777 FAX:03-5635-1778  E-mail:info@mallet.co.jp

 

1907ACF美術品パフォーマンス指数

 

1907ACF美術品時価指数

ページの上へ
無料相談の流れ
無料相談フォーム