美術を社会・文化の発展に結びつけます

MENU

オークションレポート

2018.11.29
【10/27】SBIアートオークション(代官山ヒルサイドフォーラム)

会場:          SBIアートオークション(代官山ヒルサイドフォーラム)

セール:        Modern and Contemporary Art, No. 29

日時:          平成30年10月27日(土曜日) 13:00~

 

落札総額: 762,214,250円(落札手数料含む)

落札率:   84.8%

作品数:   落札379点、不落札68点

 

今回は10月27日(土)に代官山ヒルサイドフォーラムで開催されたSBIアートオークションについてレポートする。SBIアートオークションは国内外作家の現代アートを取り扱うオークションである。当日、会場に用意されたおよそ80席はほぼ満席で、後方に立ち見客が多くみられ、現代アートへの注目の高さがうかがわれた

 

今回は国内作家作品324点、海外作家作品123点の合計447点がセールにかけられ、その内訳は絵画作品(写真等含む)366点、その他立体彫刻作品(グッズ等も含む)81点となっている。

 

出来高は、落札総額が762,214,250円(落札手数料15%含む)、落札率は84.8%であり、前回7月に開催された同オークション時の倍以上、4億3千万円近く増額しての落札総額となっている。今回、落札予想価格の上限を超えて落札された作品は全体の36.0%にのぼり、落札価格総額は落札予想価格上値の総額に対し91.2%という結果を残した。また、平均落札価格が170万5千円となり、前回7月開催時の92万4千円と比べてみても良品が多く出品されていたことが伺え、競り状況としても活況であった。

 

今回のセールで印象的だったのが、オープニングから59点もの草間彌生の作品が出品されたことだ(合計では60点出品)。通常のセールであれば、10点前後の出品数であるが、50点を超えるボリュームで出品されることは珍しい。60点の内訳はキャンバスにアクリルペインティングの作品が3点、紙にエナメル・インクの作品が1点、版画作品47点、立体オブジェ9点であった。

落札率は100%で、その内、落札予想価格上限を超えて落札された作品が12点であった。最近1年の国内での草間作品出品時の競りの様子では、書面、電話、会場からビットが多く入り、落札予想価格上限を大きく超えて落札されることが多かったが、今回のセールにおいては、とりわけ海外からの電話ビットが少ないように見受けられた。草間作品の主だった落札結果を見てみると、H70×W59cmのシルクスクリーン・ラメの作品「レモンスカッシュ(2)」が落札予想価格上350万円に対し529万円で落札。H53.3×W60.8cmのシルクスクリーン・ラメの作品「魚(Kusama103)」は落札予想価格上限350万円に対し480万円で落札。H45.5×W38.3cmのシルクスクリーン・ラメの作品「かぼちゃ(BT)」は落札予想価格上限300万円のところ368万円で落札。H50×W65cmのシルクスクリーン・ラメの作品「かぼちゃ(Ⅰ)」は380万円の落札予想価格上限に対し448万5千円で落札。上記のように版画作品のなかでも「ラメ」を使用した作品に人気が集中していた。

キャンバスにアクリルペインティングされた作品では、1996年制作のH14×W18cmの「かぼちゃ」が1500~2500万円の落札予想価格に対し2,185万円で落札。1988年制作のH45.5×W53cmの「花園の滅びる前」が1500~2500万円の落札予想価格に対し2300万円で落札。2004年制作のH116.7×W91cmの大型作品「Infinity Nets」は5000~8000万円の落札予想価格に対し6095万円で落札されていた。

 

最近頭角を現しており、こちらのレポートでも再三紹介しているロッカクアヤコの作品も8点と、過去と比較して多くの出品があった。書面・会場・電話・オンラインビットと多くのビットが集中し8点とも全てが落札用価格上限を大きく超えての落札となった。キャンバスにアクリルペインティングの作品3点が出品され、どれも400~700万円の落札予想価格に設定されていたが、400万円からの競り開始直後に3品とも700万円の声が会場から飛び出し、954万5千円、1000万5千円、1207万5千円で落札されていた。1年前には同様のキャンバス作品であれば300万円前後の相場だったが、ここ1年間でおよそ3~4倍の相場価額になった。この過熱している人気がどこまで続くのか今後も注目していきたい。

 

珍しいところでは、村上隆のキャンバスにアクリルペイントの大型作品も出品されていた。村上隆の作品は、今までも版画作品は多く出品されていたが、150cmを超える大型の作品が出品されるのは非常に珍しい。2013年制作、H199×W153cmの「めくるめくサーカス 心のなかに、平和と闇を抱えて」は、8000~1億2000万円の落札予想価格に対し1億4375万円で落札された。会場2名、電話3名による競り合いの結果であった。

 

若手海外作家の中で最近注目を浴びているのがKAWSだ。ユニクロのコラボしているティーシャツ(UT)で目にしている人も多いのではないだろうか。

KAWSは1974年生まれのアメリカ人アーティストで作品の特徴はキャラクターの目のバッテンマーク。セサミストリートやスポンジボブなど馴染みのあるアニメキャラクターなどをモチーフにした作品が多い。2018年11月にニューヨークで行われたフィリップスのオークションでは油絵が落札予想価格70万ドル~90万ドルに対し350万ドル(手数料込み)で落札されており、世界的に人気がある。

 

今回のセールではKAWSの作品は他のアーティストとのコラボ作品を含めて23点出品されており、内容は版画作品4点、人形18点、デザインチェア1点がセールにかけられた。

シルクスクリーン版画作品「Companion Vs Pikachu」は落札予想価格40万円~70万円のところ132万2,500円で落札。

同じくシルクスクリーン版画でKAWSの人気キャラクターであるCompanionが描かれた作品「Untitled」は20万円~30万円の落札予想価格に対し69万円で落札。2点出品された「Work (from Ups and Downs)」シリーズの作品は落札予想価格50万円~80万円のところ、それぞれ161万円、184万円で落札された。18点出品されたマルチプル作品の人形の中で高額だったものは限定ものである「CHUM」の黒、黄色、ピンクの3点組と空山基氏とのコラボ作品である「NO FUTURE COMPANION (Black Chrome)」。

「CHUM」は落札予想価格18万円~28万円のところ132万2500円で落札。「NO FUTURE COMPANION (Black Chrome)」は落札予想価格80万から140万のところ178万2500円で落札された。

人形にはエディション番号が入った限定部数作品と無限定部数のマルチプル作品がある。限定ものではない人形でもっとも競ったのは「Companion Pushead Version 」の緑、銅、銀の3点組。落札予想価格12万から18万に対し、115万円で落札された。その他の無限定部数のマルチプル人形作品もほとんど落札予想価格以上の価格で落札された。

 

KAWSの版画作品(縦横100㎝以下)の最近の5年間の指標(ACF美術品時価指数)をみてみると、2014年以降、相場が急上昇しているのがわかる。現在ニューヨークの『Skarstedt Gallery(スカーステッド・ギャラリー)』でも個展が開催されており、ニューヨークのアートシーンでも注目が集まるKAWS。

今後、価格の上昇がいつまでつづくのか注目していきたい。

 

 

次回SBIアートオークションは

2019年2月2日 土曜日 13:00

~代官山ヒルサイドフォーラム

※開催日時、出品作品は事前の告知なしで変更になる可能性があります。

 

【お問い合わせ先】

SBIアートオークション株式会社

〒135-0063 江東区有明3-6-11 TFTビル東館7階

TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777  Email:artauction@sbigroup.co.jp

担当:加賀美、塚田

 

KAWS パフォーマンス指標

 

KAWS 時価指数

ページの上へ
無料相談の流れ
無料相談フォーム