会場: 郵船ビル1F(東京・丸の内)
セール: 近代美術PartⅡ/MANGA/コンテンポラリーアート/近代美術
日時: 2024年7月20日(土)14:00~
落札総額:187,865,000円(落札手数料含まず)
落札率:88.32%
作品数:197点(落札174点、不落札23点)
7月20日(土)にシンワオークションのセールが開催された。シンワオークションは、東京を拠点に、美術品の他、酒類、東西アンティーク、ジュエリー、ブランドバッグ、時計など幅広いジャンルを取り扱う大規模オークションハウスである。今回のセールでは、マンガ22点、近代美術66点、近代美術PartⅡ79点、コンテンポラリーアート30点の4ジャンルより、絵画・書・工芸などの良品が合計197点出品され、うち174点の作品が落札された。全体の落札総額は1億8786万5000円(落札手数料含まず・以下同)、落札率は88.32%を記録した。
セール内での高額落札をマークしたのは、近代美術から出品されたレオナール・フジタ、加山又造の作品。序盤に出品されたレオナール・フジタLOT.153《横座りの猫》(24.0×32.3㎝、紙・墨)と、終盤に出品された加山又造のLOT.198《晴れが行く》(80.0×117.4㎝、絹本・彩色)の2作品は、いずれも落札予想価格内の1550万円で落札されている。高名作家の優品に関心が集まり、高い評価を得る結果となった。
コンテンポラリーアートでは、落札予想価格平均28~46万円程度の作品が30点出品された。落札総額は、1239万円、落札率は90.0%と好結果となった。ジャンル内で高額落札を記録したのは、LOT.133キース・へリング《「Pop Shop IV」より》(34.3×41.8㎝、シルクスクリーン、Ed.200)。落札予想価格150~250万円に対し、予想価格上限の1.32倍の330万円で落札された。次いで、高額落札となったのは、LOT.122李禹煥の《Dialogue1》 (66.8×56.9㎝、木版画、Ed.120)で、先のキース・へリングと同じ落札予想価格に対し、260万円で落札されている。既に評価が高い作家の版画作品が順当な落札をみせた。
今回は、Mark Drew(マーク・ドリュー、1978‐)にスポットを当てる。ドリューは、オーストラリア出身のグラフィックアーティストで、世界的に知られるシドニーのチャイナ・ハイツ・ギャラリーの共同創設者でもある。アメリカのマンガ『ピーナッツ』に登場するスヌーピーやチャーリー・ブラウンなどのキャラクターとラップの風刺的な歌詞を組み合わせ、マンガの一コマを描いた特徴的な作風で人気を集めている。
本セールでは、オリジナル作品が1点出品された。LOT131《ALWAYS CALM(EPMD)》(80.7×80.4㎝、アクリル・キャンバス)は、落札予想価格50~80万円のところ、予想価格上限の約1.3倍の105万円で落札された。
出品作品と類似作品の落札データをまとめたACF美術品パフォーマンス指標で動向を読み解く。
2020年、落札予想価格平均20~30万円に対し、落札価格平均は87万円程度で、予想価格上限の約2.9倍となる跳ね上がりをみせた。2021年には、落札予想価格平均が67~105万円まで吊上がり、落札価格平均も126万円まで上昇する。同年9月には同一作品が出品され、90万円で落札されていた。2022年、落札予想価格平均は下降するが、落札価格平均は横ばい推移となる。2023年は、落札価格平均が落札予想価格平均内に落ち込む。これは、落札された作品の1点が概ね良好というあまり良くないコンディションだったことも影響しているかもしれない。そして、今回の出品で、再び調子を戻した。
相場の上下動はあるが、落札価格は落札予想価格平均下限を下回ることなく推移している。現状、80~100万円程度が落札価格の目安と言えるだろう。今後の動向も注視していきたい。
- 次回のシンワオークション開催予定●
2024年10月26日(土)11:00~(開場10:30)
会場:丸の内・郵船ビル1F
西洋美術 BAG/ jewellery&Watches オークション
【お問合せ先】
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