会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction 2. SALE#231214 Modern and Contemporary Art
日 時: 2023年12月14日(木曜日)M-Live/12:00~ SALE#231214/15:00~
落札総額: 170,490,000円(落札手数料含まず)
落札率: 63.0%
作品数: 246点(落札 156点、不落札90点)
昨年12月14日(木)に開催されたマレットジャパンの”M-Live Auction”と近現代のアートオークションSale#231214、2つのオークションをレポートする。
会場を設けず、オンライン上のみで開催されたM-Live Auctionでは、落札予想価格平均16~23万円程度の作品が130点出品された。落札総額は1190万円、落札率は53%だった。一方、通常のセール#231214では、落札予想価格平均113~168万円程度の作品が116点出品され、落札総額は、1億5859万円、落札率は75%となった。全体的にマルチプル作品を多く取り扱った2つのセールの落札総額は1億7049万円(落札手数料含まず・以下同)で、落札率は63%を記録した。
活発な競りが見られたのは、戦後日本美術を代表する前衛グループのひとつ「具体美術協会」で重要な役割を担った美術家である吉田稔郎の作品。M-Live Auctionで出品されたLOT.1019《作品》(45.2×45.2㎝、パネル・油彩)は、落札予想価格10~15万円のところ、落札予想価格上限の6倍となる90万円での落札となった。
トップロットとなったのは、草間彌生LOT.069《かぼちゃ》(18.0×14.0㎝、キャンバス・アクリル)。0号の作品ながら、5100万円という高額落札を記録した。次いで、オークションカタログの表紙を飾ったアンディ・ウォーホルのLOT.007《Marilyn Monroe》(91.4×91.4㎝、シルクスクリーン、Ed.250)が1800万円で落札されている。常に高額落札を誇る人気の作家の作品は順当に落札され、安定した結果を残した。
今回は、マナブ間部(まなぶ・まべ、1924-1997)に焦点を当てる。間部は、熊本県生まれの日系ブラジル人で、間部マナブ、マナブ・マベとも表記される。ブラジルに移住し、コーヒー農園で働きながら画家を志し、34歳で「サンパウロ・ビエンナーレ展」の最高賞を受賞するなど、注目を集めた。鮮烈な色彩で描かれる個性的な抽象画により“ブラジルのピカソ”と称され、世界的に活躍した芸術家である。
本セールでは、中盤に2点の作品が出品された。うち1点は、ウールの大型タペストリー。LOT.038《Untitled》(169.0×189.0㎝)は、落札予想価格20~30万円のところ、38万円で落札された。続くLOT.039《作品》(38.0×45.5㎝、キャンバス・油彩)の抽象画は、落札予想価格25~35万円のところ、落札予想価格内の34万円での落札となった。本作と類似の油彩・抽象画作品(8~12号サイズ)の落札データを抽出したACF指標より、その動向を読み解く。
2016年、落札予想価格は15~20万円程度で設定され、21万円で落札されている。その後2018年、落札予想価格、落札価格ともに横ばい推移となる。2022年には、落札予想価格が25~25万円と上昇を見せ、落札価格も29万円と合わせて上昇する。そして、今回のセールでは、落札予想価格は横ばいながら、落札価格は予想価格内ではあったが更なる上昇を見せた。
間部の作品は、国内だけでなく海外のオークションにもたびたび出品され直近では、フランスのオークションで10号サイズの作品が$3,000程度で落札された。
際立った上昇こそ見られないが、落札予想価格下限を下回ることはなく、右肩上がりで堅実な結果を残している。国内外の市場で流通している物故作家の動向に関心が高まる。
●次回のマレットジャパンオークション開催予定●
2024年3月7日(木) 2セール同日開催
1.M-Live Auction 12:00~ オンライン限定ライブ配信型オークション
2.Mallet Auction Sale #240307 15:00~ 会場:マレットジャパン オークションハウス
※開催日時は事前の告知なしに変更になる場合がございます。
※YouTubeにて、ライブ配信も行っています。
【お問合せ先】
株式会社マレットジャパン
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3-1 ニッセイ半蔵門ビル1F
TEL:03-5216-2480 FAX:03-5216-2481 E-mail:info@mallet.co.jp