セール: 第60回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
日時: 2023年9月15日(金)・16日(土) 各13:00~
落札総額: 198,633,750円(落札手数料含む)
落札率: 85.7%
作品数: 474点(落札 406点、不落札68点)
SBIアートオークションのオンラインによる現代アートのオークションが、9月15日(金)・16日(土)の2日間に渡って開催された。今回のセールでは、国内外の作家225名(他作家・共作出品は1名でカウント)、474点の作品が競りにかけられた。出来高は、落札総額1億9863万3750円(落札手数料含む・以下同)、落札率85.7%を記録した。
1日目は、落札予想価格平均18~30万円程度の作品223点が出品された。単日の落札総額は6289万9250円、落札率は83.9%を記録している。セール後半には、村上隆の作品が版画作品を中心に50LOT(コラボ作品を除く)続き注目を集めた。中でもLOT.175《たんたん坊》(69.0×102.2㎝、シルクスクリーン・金箔、ed100)は、落札予想価格40~70万円のところ、予想価格上限を大きく上回る201万2500円で落札された。単日でのトップロットとなっている。単日の落札価格のランキングでも上位を独占しており、出品点数の多さばかりでなく、村上隆の根強い人気が伺える結果となった。
大幅な伸びをみせたのは、イギリスのグラフィティーアーティスト、ニック・ウォーカーによる作品。LOT.093《The Morning After Brooklyn》(53.8×70.8㎝、シルクスクリーン、ed.150)は、落札予想価格5~10万円のところ、80万5000円で落札された。落札予想価格上限の約8倍までの競り上がりをみせた。
2日目は、落札予想価格29~45万円程度の作品251点が出品された。単日の落札総額は、1億3573万4500円、落札率は87.3%を記録した。この日、トップロットを飾ったのは、セール序盤に出品されたKYNEのLOT.256 《Untitled》(91.0 × 72.7 cm、アクリル・キャンバス)。落札予想価格600~900万円のところ、1322万5000円で落札された。KYNEは、他にオリジナル1点、版画作品4点の出品があったが、いずれも落札予想価格内で落札されており、堅調を維持している。
今回は、高松次郎(たかまつ・じろう、1936‐1998)にスポットを当てる。高松は、戦後日本美術を代表する作家の一人である。赤瀬川原平や中西夏之らと共に前衛美術の中心として活動したことでも知られている。ヴェネツィア・ビエンナーレ(1968)、ドクメンタ(1977)他、国際展にも多数参加し、世界中で活動を行い評判を博した。
2日目のセール終盤に、3作品の出品があった。代表作「影」シリーズよりバラが描かれたアフター作品LOT.451《バラの影》(55.3×46.0㎝、シルクスクリーン)の他、「アンドロメダ」シリーズ(61.0×45.0㎝、シルクスクリーン、ed.98、5点組)より、LOT.449《アンドロメダAシリーズ》、LOT.450《アンドロメダBシリーズ》2点の出品あった。3作品とも落札予想価格上限を超えて落札され、好結果を残している。
出品作品と同じ「アンドロメダ」シリーズA/B、5点組の過去の落札データを抽出したACF美術品指標から動向を読む。
2014 年の出品では、落札予想価格5~10 万円のところ、10 万円程度で落札されている。2017年までの間に落札予想価格は12~19万円程度まで徐々に上昇し、以降は横ばい推移で落ち着いている。2015年から2018年の落札価格は、落札予想価格上限に近い20万円程度で推移している。今回の出品では、落札予想価格12~18万円のところ、Aシリーズは63万2500円、Bシリーズは57万5000円で落札された。いずれも落札予想価格上限の3倍程度の高い伸びを見せた。好調な結果を受け、今後の落札予想価格が上昇する可能性もでてきた。市場の再評価という点から、今後の動向が期待される。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第62回SBIアートオークション LIVESTREAM AUCTION
2024年1月26日(金)・27日(土)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
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