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オークションレポート

2023.02.28
【1/27・28開催】SBIアートオークション

会場: 代官山ヒルサイドフォーラム

セール: LIVE STREAM + MODERN AND CONTEMPORARY ART

日時: 2023年1月27日(金曜日)11:00~ / 28日(土曜日)11:00~

落札総額: 1,129,961,250円(落札手数料含む)

落札率: 93.9%

作品数: 526点(落札494点、不落札32点)

 

SBIアートオークションによる近現代美術のオークションが、1月27日(金)・28日(土)の2日にわたり開催された。27日はオンライン配信のみの無観客オークション、28日は代官山ヒルサイドフォーラム(東京)で従来通り会場を用いて行われた。国内だけでなく海外からの入札も多数みられ、盛況なセールとなった。半数近い作品が落札予想価格上限を超える価格で落札され、好調な競りが目立った。落札率は93.9%、落札総額11億2996万1250円(落札手数料含む・以下同)を記録している。

1日目は、マルチプル作品を中心に落札予想価格平均56~90万円程度の作品が311点出品された。単日の落札総額は、3億589万4250円、落札率は91.3%だった。2日目は、オリジナル作品を中心に落札予想価格平均183~290万円程度の作品が215点出品された。単日の落札総額は、8億2406万7000円で、落札率は前日を上回る97.7%を記録した。
トップロットを記録したのは、草間彌生のオリジナル作品LOT.435《ぶどう》(38.0×45.5㎝、アクリル・キャンバス)で、落札予想価格4000~7000万円のところ、1億4950万円で落札された。草間作品は、2日間で全28点の出品があり、その落札総額は5億372万3000円となっている。全体落札額の約45%を草間が占める結果となった。
大幅な伸びを見せて注目を集めたのは、谷口正造(1990-、たにぐち・しょうぞう)。本セールでは、2点の出品があった。LOT.314《SKY BLUE SKY》(60.6×50cm、アクリル・色鉛筆、パネル)は、落札予想価格15~25万円のところ、253万円で落札。続く、LOT.315《SUNGOES DOWN》(72.2×60.6㎝、アクリル・ペン・コラージュ・木製パネル)は、落札予想価格20~30万円のところ、368万円で落札された。どちらの作品も落札予想価格上限から10~12倍程度の伸びをみせ、国内初出品となったセールで好結果を残した。今後の活躍が期待される作家のひとりである。

今回は、Backside works. (年齢不詳、ばっくさいど わーくす)に焦点を当て、落札価格の動向を読み解く。バックサイドワークスは、福岡を拠点に活動するアーティスト。80、90年代のサブカルチャーの影響を強く受けた画風で、“実在はしないかもしれない。でも確かに存在するヒロイン”をコンセプトに、美少女をモチーフにした作品を描いている。ストリートブランドとコラボ商品を展開することなどもあり、ファッションに敏感な若い世代や海外のコレクターなどからも好評を得ている。
今回のセールでは、6点の版画作品が出品され、いずれも落札されている。6点のうち、最高落札額を記録したのは、スニーカーブランド店のオープン記念にコラボレーションして制作した作品。LOT.040 《「履かないの?」(Blue×Red)》(53.0×41.0㎝、シルクスクリーン、Ed.30)は、落札予想価格80~140万円のところ、299万円で落札された。続くLOTでは、色違い作品となる 《「履かないの?」(Black×Black)》(Ed.70)が、出品された。同じ落札予想価格に対し、195万5000円で落札されている。先のBlueは出品歴が浅く、Blackと比較しエディション数が少ないことなどが価格上昇につながったと思われる。

和装姿に大きなヘッドホンの少女が印象的な作品、LOT.038《VALIANT GIRLS》(53.0×41.0㎝、ジークレー・キャンバス)をピックアップし、その落札データをグラフ化した。

2302ACF美術品パフォーマンス指標

2302ACF美術品時価指数

2020年1月の初出品では、落札予想価格15~25万円のところ、約235万円で落札されている。落札予想価格は、出品の都度上昇傾向にあり、2022年からは、横ばい推移となっている。落札価格は、2021年前半は200万前後、2021年後半からは450万前後まで上昇。上下動はありながらも、常に落札予想価格上限を超えて落札されており、需要の高さがうかがえる。今回の出品では、落札予想価格150~250万円のところ224万2500円での落札となり、2020年以来初めて落札予想価格上限に届かず、伸び悩みを見せた。残りの3作品も落札予想価格近辺で落札されている。今回のセールでは、作品により評価が分かれる結果となった。
“ヒロイン”を描き続ける作家の今後の動向に関心が高まる。

●次回のSBIアートオークション開催予定●
第56回SBIアートオークション|Tokyo Contemporary: Redefined
2023年3月11日(土)/ 東京国際フォーラム開催 特別セール

【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
TEL:03-3527-6692  FAX:03-3529-0777
E-mail:artauction@sbigroup.co.jp

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