セール: 第76回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
日 時: 2026年1月24日(土)12:00~ ・ 25日(日)11:00~
会 場: 代官山ヒルサイドフォーラム
落札総額: 1,051,859,000円(落札手数料含む)
落札率: 90.0%
作品数: 501点(落札478点、不落札59点)
1月24日(土)・25日(日)の2日間、SBIアートオークションによる2026年初のセールが開催された。セールには、20世紀以降の近現代アートシーンで活躍する作家たちによる501点の作品が出品され、活発な競りが繰り広げられた。総落札額は10億5185万9000円(落札手数料を含む・以下同)に達し、落札率も90.0%と高水準を記録。新年の始まりを飾るにふさわしい、勢いのあるスタートを見せた。
1日目には、草間彌生や奈良美智、アンディ・ウォーホル、李禹煥、猪熊弦一郎など、国内外の著名作家による大型作品や代表作が数多く出品された。単日の落札率は、89.4%。全体的に高額作品が多く、平均落札価格は約405万円と、高額での落札が目立つ構成となっていた。モダンアートや戦後美術の巨匠たちの作品が中心で、成熟したコレクター層を意識した重厚なラインナップだった。
2日目は、ピエール・ユイグ、村上隆、名和晃平、ロッカクアヤコ、KYNE、ダミアン・ハーストなど、現代アートやメディアアート、写真作品を中心に作品が並んだ。若手から中堅の作家による実験的な作品や、ユニークな素材や表現を用いた作品が多く、価格帯も比較的手頃で、平均落札価格は約50万円だった。新たなコレクターや若年層のアートファンにもアプローチしやすい内容となっており、多様性と新鮮さが際立つセールで、落札率も前日より若干高い90.5%と好調だった。
特に、最終LOTで出品された松山智一の《うまい棒 げんだいびじゅつ味》(ミクストメディア、20.0×8.0×8.0㎝、Ed.50)は、大きな注目を集めた。本作は、2025年春に開催された個展『松山智一展 FIRST LAST』のサテライト企画で制作されたもので、1本15円の駄菓子”うまい棒”をモチーフに、アートの価値をめぐる問いを可視化した作品である。落札予想価格8~14万円に対し、115万円で落札され、予想価格の約10倍に達する異例の高騰で会場を沸かせた。
今回は、田中敦子(たなか・あつこ、1932~2005)にスポットを当ててレポートする。田中は大阪出身の前衛美術家で、戦後日本の美術運動「具体美術協会」の中心メンバーとして知られている。1956年に発表した代表作《電気服》は、無数の電球を身にまとった革新的な作品で、身体とテクノロジーが交錯する新たな表現を提示した。その後も、円形モチーフを用いた絵画シリーズなどで独自のスタイルを確立し、国内外で高く評価されている。
本セールでは、初日に3点のオリジナル作品が出品された。いずれの作品も落札予想価格の下限を上回る価格で落札され、市場の堅調な需要を示した。大小のカラフルな円がコード状の線と自由に交差しながら画面全体に広がる《作品》(オイルパステル・紙、35.8×26.0㎝)は、LOT.11に出品され、落札予想価格70~130万円に対し、約200万円で落札。近年の市場評価の上昇傾向を裏付ける結果となった。
実際、田中敦子の「紙・オイルパステル 5号」作品におけるACF美術品パフォーマンス指標を見ると、2017年の平均落札価格は97.7万円だったのに対し、2026年には212.7万円と、約2.2倍に上昇している。落札予想価格も、2017年50~80万円から2025年・2026年には70~130万円へと、上限・下限ともに段階的な上昇が見られる。それを上回るペースで実際の落札価格は伸びており、作品の安定した需要と評価の積み重ねが反映されていることが読み取れる。こうした価格の動きは、田中の作品に対する一定の関心が市場に根付いていることを示しており、この傾向がどのように推移していくか注目される。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第77回 SBIアートオークション
Modern Legacy:An Important Japanese Collection of 20th & 21st Century Masters
2026年3月14日(土)14:00~ 会場:東京国際フォーラム ホールD5(東京・代官山)
※翌15日(日)には、第78回「Bloom Now」を開催
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-1 TFTビル東館6F
TEL:03-3527-6692 FAX:03-3529-0777 E-mail:artauction@sbigroup.co.jp

