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2024.04.25
重要なお知らせ
国(文化庁)が美術品の適正な時価算出の手法、手順を発表

2024年4月23日、国(文化庁)が透明性・客観性の高い美術品の時価査定を求めた、「美術品(近現代分野)の鑑定評価の価格評価の手法と手順等についてのガイドライン(*以下ガイドライン)」を発表しました。

現在の日本の美術品市場の活性化のためには、美術品の価格評価に係る適切な情報を消費者に提供し、美術品の価格評価の信頼性を高めることが必要です。一方、日本の美術品市場では、業者が査定根拠を示さず査定価格を出す精通者意見価格が一般的でした。そこで文化庁は美術品の価格評価の適正を担保するためにガイドラインを発表したわけです。

ガイドラインは、美術品の真贋鑑定や歴史上、芸術上、学術上の価値を担保するものではなく、美術品の時価評価額を算出するためのものです。美術品の種類は、およそ1870 年代以降に制作された近現代美術の作品が対象になります。
ガイドラインに示された評価の手法、手順の適用は、すべての査定業者が対象となるわけではなく、文化庁が透明性・客観性の高い方法で価格評価を行うとして認定した価格評価事業者が対象となります。(*「美術品(近現代分野)の鑑定評価における価格評価事業者認定制度」)ガイドラインはこの認定事業者がとるべき査定の手法、手順として示されたものです。
*「美術品(近現代分野)の鑑定評価における価格評価事業者認定制度要綱」:2024年4月23日に文化庁が発表した制度要綱。実際の申請と認可はまだ始まっておりません。

これにより、文化庁長官が認定した価格評価事業者と、そうではない一般の業者による時価査定には、その透明性、客観性、精度、信用度に極めて大きな差が生じることになります。しかし、これまで信用できる時価を知らずに、不当に安い買い取りや高値買いなどによる損害を被ってきた消費者には希望の制度になるものと思われます。また、将来的にはガイドラインに基づいた査定価額は税務上の価額として取り扱われる可能性もあるかもしれません。

当社が行う時価査定は、このガイドラインに則った形式で提供しております。オークション市場で取引される美術品については、取引事例、要因事例を明記した「取引事例比較法」により査定しております。

ガイドライン

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