デンバー美術館新ウィング建築(Daniel Liebeskind設計)に際し、宮島達男はアトリウムに設置される唯一のアーティストとしてコミッションワークを依頼されました。2006年10月5日、インスタレーション作品「ENGI」を制作、完成しました。ACFはコーディネーターとして参加しています。
<コンセプト>
丸い鏡に数字のLEDが付いている。これを「Mirror LED」と呼ぶ。数字のLEDは白色のものは1-9へ、また青色のLEDは9-1とカウントし続けている。そしてゼロを表示せず、それを繰り返す。カウントするスピードは速いものや遅いものがあり、すべて違っている。今回、このLEDのスピード調整を、様々なバックグラウンドを持つ、デンバー市民80人に参加してもらい、一人一人の好きなスピード(時間)に設定してもらった。そのことで、デンバーに住む人々の個人の人生が焼きつけられると考えたからである。数字のLEDは、「個人の生命の輝き」や「個別の歴史」を隠喩している。 LEDには鏡が付いており、この鏡は、「縁起」(ENGI)を隠喩する。「縁起」とは、仏教的な概念で、「関係性」の意である。これは、『人間は独立して存在しているのではなく、自然や宇宙、そして他人と関係を結ぶことで初めて存在できる』ということを言い表している。 (2006年10月 宮島達男)
作家 | 宮島達男 |
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作品 | DENVER PROJECT-「ENGI」 |
制作年 | 2006年 |
場所 | Denver Art Museum 100 W 14th Ave Pkwy Denver, CO 80204 |
電話番号 | 720-865-5000 |
関連サイト | http://www.denverartmuseum.org/home |