セール: 第74回 SBIアートオークション LIVE STREAM
日 時: 2025年9月12日(金)・13日(土)両日11:00~
会 場: オンライン
落札総額: 218,321,750円(落札手数料含む)
落札率: 89.0%
作品数: 537 点(落札478点、不落札59点)
9月12日(金)・13日(土)の2日間にわたり、SBIアートオークション主催による20世紀以降の近現代アートのオンラインオークションが開催された。国内外で活躍する313名の作家による537点の作品が出品され、活発な競りが展開された。総落札額は2億1832万1750円(落札手数料を含む)、落札率は89.0%と、堅調な結果を収めた。
初日は、マルチプル作品を中心に落札予想価格平均14~23万円の作品が289点出品された。絵画や立体作品だけでなく、カタログ・レゾネ(作家の作品を網羅的に記録した絵目録)が多数含まれており、幅広い出品構成になった。単日の落札総額は5920万2000円、落札率は89.3%を記録した。2日目は、オリジナル作品を中心に、落札予想価格平均38~62万円の作品が、248点出品された。単日の落札総額は1億5911万9750円、落札率は88.7%となっている。落札率は初日をやや下回る結果となったが、金額面では大きく伸長し、セール全体の成果を押し上げる形となった。
今回のセールで最高落札額を記録したのは、草間彌生のLOT.315《かぼちゃ(黄Y)》(シルクスクリーン、60.4×72.3cm、Ed.120)。落札予想価格500~800万円に対し、1115万5000円で落札された。「かぼちゃ」をモチーフとしたシルクスクリーン作品は他にも4点出品され、いずれも好調に落札されている。スカーフやカップ&ソーサーなどのグッズも堅調に落札されており、草間彌生の市場における根強い人気が改めて示された。
大きな競り上がりを見せたのは、マリー・ローランサンのLOT.210で出品された、全2巻・ブックケース付きのカタログ・レゾネ。落札予想価格3~5万円に対し、29万9000円で落札され、予想価格上限の5倍を超える結果となった。今回のセールでは、海外主要作家のカタログ・レゾネが35点出品され、いずれも予想価格以上で落札された。作家の活動や作品背景に関心を寄せるコレクターが多く、カタログ・レゾネが収集対象として高い支持を得ていることがうかがえる。
今回は、名和晃平(1975~)にスポットを当ててレポートする。名和は京都を拠点に活動する彫刻家。2002年に発表した「PixCell」シリーズで注目を集めた後も、生命や感性、テクノロジーといったテーマを軸に、彫刻の枠を超えた表現を探求している。空間インスタレーションや建築プロジェクトなども手掛け、その独自の表現は、国内外において高く評価されている。
本セールでは、初日に2点、2日目に5点の作品が出品された。そのうち、2日目の序盤に出品されたインクをキャンバスに流して重力で描くシリーズ作品、LOT.336 《Direction#102》(ペイント・キャンバス・ユニーク、35.0×65.0×6.0cm)について、市場での評価をACF美術品パフォーマンス指標で分析する。
今回、落札予想価格70~130万円に対し、178万2500円で落札された本作。2019年は落札予想価格平均70~100万円の出品に対し、落札平均は約170万円となった。その後、落札価格平均は2022年に約200万円、2024年に約170万円、2025年には約160万円と、ほぼ横ばいで推移している。常に落札予想価格上限を超えて落札が続いており、相場は150~200万円程度で安定している。この動向から、「Direction」シリーズは一過性の人気ではなく、継続的な評価を得ている作品であると読み取れ、今後も市場において堅調な推移が期待される。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第76回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
2026年1月24日(土)・25 日(日) 会場:ヒルサイドフォーラム(東京・代官山)
【お問合せ先】SBIアートオークション株式会社
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