会場: マレットジャパン オークションハウス
セール: 1. M-Live Auction(オンライン)
2. SALE#20250515 Modern and Contemporary Art (会場型)
日 時: 2025年5月15日(木) M-Live/12:00~ SALE#250515/15:00~
落札総額: 172,550,000円(落札手数料含まず)
落札率: 71.2%
作品数: 219点(落札156点、不落札63点)
近代から現代の美術品を中心にオークションを企画運営しているマレットジャパンは、2025年5月に創立20周年を迎えた。節目となる同月、オンライン限定オークション「M-Live Auction」と、会場で競りを行う通常オークションの2セールが同日開催された。M-Live Auctionでは、比較的抑えた価格帯の作品115点が出品され、そのうち75点が落札、落札総額は、12,720,000円(落札手数料含まず・以下同)を記録した。一方、Sale#20250515では、野見山暁治のキャンバス作品やアンディ・ウォーホルの版画作品などの注目作品を含む104点が出品され、そのうち81点が落札、落札総額は、1億5983万円に達した。両セールの落札総額は1億7255万円で、落札率は71.2%となっている。
Sale#20250515のオークションでは、最終ロットのパブロ・ピカソの作品が大きく競り上がり注目を集めた。LOT.104《女の頭部》(厚紙・色鉛筆、32.9×25.4㎝)は、落札予想価格の1000~1500万円を遥かに上回り、4600万円で落札された。パブロ・ピカソの貴重な肉筆画が、今回のセール内での最高落札となり、圧倒的な存在感を放った。次に大きな競り上がりを見せたのは、インド出身の現代美術家サクティ・ボーマンの作品。LOT.100《恋人》(油彩・キャンバス、33.2×41.0㎝)は、落札予想価格120~170万円に対し、700万円で落札された。ボーマンは、3月に開催されたオークションでも高額落札を記録し、好調を維持している。
今回のセール冒頭を飾ったブルガリア出身の現代美術家クリスト(Christo,1935-2020)をピックアップし、レポートする。クリストは、物を梱包する独自の作風で知られている。妻のジャンヌ=クロードと共同で、街や巨大な橋、島などを布で一時的に覆う大がかりなアートプロジェクトを手掛け、環境アートの重要な作家としてその名を馳せた。クリストの作品はランドマークを舞台としたものが多く、かつ期間限定プロジェクトとなるため市場で見ることは稀だが、資金調達を目的として販売された準備段階の図面やリトグラフ、コラージュ作品などが市場で取引され、評価されている。
LOT.001《Wrapped Vespa, Project,1963-1964》(デジタルプリント・手彩色・紙のコラージュ、30.7×30.5㎝) は、イタリアのスクーターであるヴェスパを包み込んだ作品で落札予想価格40~60万円に対し、予想価格下限同額の40万円で落札された。同一作品の過去の落札結果を抽出分析した、ACF美術品指標から動向をみる。
クリストの没年である2020年は、落札予想価格27~37万円程度に対し上限を超える44万円程度で落札されている。2021年、落札予想価格が30~43万円程度と若干上昇するものの、落札価格は横ばい推移の状態。2022年には、落札予想価格が横ばい推移、それに対し落札価格は52万円程度まで上昇を見せた。その勢いを反映するように、2023年以降の落札予想価格上限は50~55万円程度まで上昇した。それに対し、落札価格は40万円前後で、上下動しながら推移している。2020年と比較し、わずかに下降傾向が見られるが、落札予想価格内に収まっている。40万円前後の時価を目安に、今後の復調が期待される。
●次回のマレットオークション開催予定●
M-Live Auction(オンライン)/ 通常オークション(会場型)
2025年7月17日(木)
【お問合せ先】 株式会社マレット ジャパン
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