セール: 第72回 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art
日 時: 2025年5月23日(金)・24日(土) 各日13:00~
落札総額: 732,228,000円(落札手数料含む)
落札率: 90.2%
作品数: 306点(落札276点、不落札30点)
5月23日(金)・24日(土)の2日間にわたり、SBIアートオークションによる現代アートのオークションが、代官山ヒルサイドフォーラム(東京)にて開催された。国内外で活躍する作家の作品306点が出品され、そのうち276点が落札された。24日(土)には、オンライン入札システムに予期せぬ障害が発生し、セールが一時中断されたが、迅速な対応により翌25日(日)13時から再開され、全ての作品のセールは無事に完了した。本セールの落札総額は、7億3222万8000円(落札手数料含む・以下同)、落札率は90.2%を記録している。
1日目には、落札予想価格平均50~90万円程度の抑えられた価格帯の作品を中心に139点の作品が出品された。単日の落札総額は1億1501万1500円、落札率は92.1%に達した。2日目(3日目含む)には、落札予想価格平均240~400万円程度の作品が167点出品され、落札総額は6億1721万6500円、落札率は88.6%を記録した。
トップロットとなったのは、2日目に出品された草間彌生のオリジナル作品2点。LOT.188《花》(アクリル・キャンバス、38.0×45.5㎝)と、続くLOT.189《かぼちゃ》(アクリル・キャンバス、15.8×22.7㎝)は、落札予想価格5000~8000万円のところ、落札予想価格内の6555万円で落札された。草間作品は、本セール最多となる13点が出品され、1億9883万5000円の落札総額となった。
次いで、高額落札となったのは、ハイライト作品として紹介されていたKAWSのLOT.204《OHHH…》(アクリル・キャンバス、147.3×294.6×4.4㎝)。人型ロボットのシルエットをグラフィカルに描いた大型作品は、落札予想価格1800~2800万円に対し、予想価格を大きく超える6095万円の高値で落札され、注目を集めた。優れた実績を持つ作家たちが、期待通りの順調な成果を示し、セールを盛り上げた。
大きな競り上がりをみせたのは、劉鋒植(リュウ・フォンジー)の肖像画LOT.181《Ying’ai》(油彩・キャンバス、60.0 × 50.0 ㎝)。落札予想価格の100~150万円に対し、落札予想価格上限の5倍程度となる805万円で競り落とされた。劉の肖像画は、人物の内面を巧みに表現しながら、観る者に強い印象を与えることで知られ、評価されている。今回のセールでは、その価値がさらに引き上げられた。
今回は、川内理香子(かわうち・りかこ、1990-)にスポットをあてる。川内は、食への関心や身体の他者性をテーマに、ドローイングや油彩の他にも、針金やネオン管、樹脂など様々な素材による作品を展開し、それぞれの素材の特性を活かした表現で知られている。若手ながらその実力は高く評価されており、国内外で幅広く支持されている。
本セールでは1日目にLOT.088《banana boat》(油彩・キャンバス、45.5×38.0㎝)1点の出品があった。落札予想価格20~30万円に対し、57万5000円で落札されている。本作と類似する川内の6~10号サイズの油彩・キャンバス作品の国内での落札データを抽出したACF美術品指標で動向を見る。
2023年10月のセールでは、落札予想価格20~30万円に対し約41万円で落札された。落札予想価格は、その後も20~30万円と安定して推移している。2025年2月には25~35万円程度に上昇しているが、これは出品作品が大きい号数(10号)だったことが影響していると考えられる。さらに、落札価格は常に予想価格上限を1.5倍前後上回る水準を保ち、好調を維持している。この右肩上がりの傾向がどこまで続くのか、今後の動向に関心が寄せられる。
●次回のSBIアートオークション開催予定●
第74回 SBIアートオークション LIVE STREAM AUCTION
2025年9月12日(金)・13日(土)
【お問合せ先】 SBIアートオークション株式会社
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