会場: マレットジャパン(マレットジャパン オークションハウス)
セール: SALE 2019.12.05
日時: 2019年12月05日(木曜日)15:00~
落札総額: 122,535,000円(落札手数料含まず)
落札率: 70.7%
作品数: 作品数:225点(落札159点、 不落札66点)
今回は12月5日(木)に開催されたマレットジャパンのオークションについてレポートする。
マレットジャパンは、ジャンルにとらわれることなく、国内作家の高額作品および、国際市場性のある海外作家の高額作品を重点的に取り扱う、国内の主要なオークションハウスのひとつである。
本セールでは、国内外作家107名(国内:59名、海外:48名)225作品がセールにかけられた。出来高は、落札総額1億2,253万5千円(落札手数料含まず、以下同)、落札率は70.7%だった。
ロッカクアヤコのキャンバス作品(116.5×91.0㎝)が、落札予想価格600~800万円のところ、1,150万円で落札され、今回のオークションでは最高額での落札となった。
次いで戦後世界的に高い評価を得た数少ない日本の書家である井上有一の作品「吸」が落札予想価格250~450万円のところ上限に近い440万円で落札された。また草間彌生のマルチプル作品が8点出品され、どれも落札予想価格上限を上回る落札結果であり、安定した人気をみせた。
今回は、本セールで最高額の落札となったロッカクアヤコ(1982年~)ついてレポートする。
4回目のレポートで油彩について書いたが、改めてマルチプル作品に注目したい。
本セールでは、前述の最高額で落札された作品の他にマルチプル作品1点、油彩が1点出品された。LOT 番号128「無題」(58.2×78.0㎝/リトグラフ)がマルチプル作品で、落札予想価格50~70万円のところ、63万円で落札、LOT番号222「作品」(41.0×45.0㎝/ダンボール・アクリル)は落札予想価格150~200万円のところ、200万円で落札されている。
ロッカクアヤコは筆などを一切使わず、手で直接キャンバスやダンボールにかわいらしい色使いで少女をはじめとするモチーフを描く作風が特徴のアーティストである。2004年村上隆主催のGEISAIでスカウト賞を受賞し注目され、2006年スイス・アートバーゼル出展時に行ったライブペインティングでは100枚以上を描き、完売。それをきっかけに欧米での人気が高まり、現在はオランダで活動している。
ロッカクアヤコの作品は、2020年3月に行われる東京アートフェア(GALLERY TARGET)に出展予定とされているので、興味のある方には良い機会となるかもしれない。
同作家のマルチプル作品を抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標注*を見てみると、2016年までは横ばい、2019年に落札価格の平均が若干下落するが、全体的にみると2017年から落札価格の平均は右肩上がりに推移している。同じく時価指数も同じ動きをしている。
ロッカクアヤコのマルチプル作品はこれまであまり制作されておらず、また近年作品は大型化している。オリジナル・マルチプル作品とも今後も価格の動向に一層注目していきたい。
注*:ACF美術品パフォーマンス指標・時価指数ともに、2017年は国内でマルチプル作品の出品がなかった為、2014年~2019年から2017年を除いた5年間のデータからグラフ化している。
次回のマレットオークション開催予定
2020年2月28日(金)15:00~
会場:マレットジャパン オークションハウス
※開催日時は事前の告知なしに変更になる場合がございます。
※YouTubeにて、ライブ配信も行っています。
【お問い合わせ先】
株式会社マレットジャパン
〒135-0016 東京都江東区東陽3-22-6 東陽町AXISビル1F
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