会場: BA-TSU ART GALLERY & B-SIDE
セール: Harajuku Auction Vol.2
日時: 2019年10月26日(土曜日)15:00~
落札総額: 446,959,000円(落札手数料含む)
落札率: 91.4%
作品数: 209点(落札191点、 不落札18点)
今回は10月26日(土)に開催されたSBIアートオークションのHarajukuオークションについてレポートする。
本オークションは、原宿を拠点に様々なクリエイティブ事業を展開しているen one Tokyoと共催のオークションで、昨年11月の開催に引き続き、2回目の開催となる。原宿カルチャーに焦点を当て、ストリートカルチャーから音楽、デザイン、ポップアート、現代アートを代表する作家の作品まで、幅広いジャンルの作品を多数取り揃えている。
今回のセールでは、国内外作家80名(多作家出品は1名でカウント)、209作品がセールにかけられた。出来高は、落札総額4億4695万9000円(落札手数料含む、以下同)、落札率は91.4%に達し、非常に活況なセール結果となった。
最高額で落札されたのは、カウズのアクリル・キャンバス、2点組のオリジナル作品「KIMPSONS SERIES(TWO WORKS)」で、落札予想価格1800~2800万円のところ、7245万円で落札された。本作品は、今回のオークションの案内状のメイン作品にも選ばれており、案内状を手にした人にとっては早くから印象に残る作品となっていた。カウズの作品は、技法も様々で、今回は出品数も多く40点近い作品がセールにかけられた。そのほとんどの作品は、落札予想価格上限を超えて落札され、人気の高さがうかがえた。
今回は、落書きをストリートアートと呼ばれる美術様式として世界に認めさせた、アメリカを代表する伝説的なアーティスト、キース・へリング(1958-1990)に注目し、レポートする。
キース・へリングの作品は、ファッションブランドのデザインにも影響を与え、様々なブランドとコラボレーションしたアイテムを発表している。シンプルなラインと明度が高い鮮やかな色彩で構成された作品は、雑誌や広告などのメディア媒体で使われることも多い。アーティスト名こそ知らずとも、その作品を一度は目にしたことがあるのではないだろうか。
本セールでは、2点の版画作品が出品された。LOT 番号136「Dog」は、115.5×89.2 cmのモノクロームのリトグラフ作品で、落札予想価格400~600万円のところ、632万5千円で落札された。LOT番号137「Lucky Strike」は、29.5×20.7 cmのカラフルなシルクスクリーン作品で、落札予想価格80~120万円のところ、138万円で落札されている。
「Lucky Strike」(3号)とサイズが近い8号以下の同作家の版画作品を抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標を見てみると、2014年から2017年にかけての落札価格の平均は、2015年から2016年のほぼ横ばい傾向を含みつつ、右肩上がりに推移している。2018年には、落札価格の平均が約80万円まで下落するが、各年ともに落札予想価格下限を下回ることなく推移しており、安定したパフォーマンスであることがうかがえる。今回セールにかけられた2作品も落札予想価格上値を上回る価格で落札されている。この持続的な安定を今後も実現できるか注視していきたい。
次回のSBIアートオークション開催予定
2020年2月1日(土)
会場:代官山ヒルサイドフォーラム
※開催日時は事前の告知なしに変更になる場合がございます。
【お問い合わせ先】
SBIアートオークション株式会社
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