老人健康保険施設「勝平苑」は1970年に勝平中央病院として建設され、1989年、老人健康保険施設として改装された。立替工事が必要になったため、この塀をアート・プロジェクトによって建設することとなった。この塀で囲むことになる施設は、社会に「開かれた」高齢者介護施設であることを目指しており、その理念と塀本来がもつ機能との間には隔たりがあった。「リオ」と名付けられた本作は、曲線の形状を基本とし、表面にガラスタイルが覆う。曲線のフォルムとガラスタイルの効果により、日の光は観るものに様々な色彩を披露する。変化するフォルムと光という風景の快適な刺激が、入居者の方々の精神的な刺激となることを目標としている。